芥川賞を受賞した楊逸さん=15日午後8時38分、東京都千代田区丸の内、林敏行撮影芥川賞を受賞した楊逸さん(左)と直木賞を受賞した井上荒野さん=15日午後8時55分、東京都千代田区丸の内、林敏行撮影
第139回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に中国人の楊逸(ヤン・イー)さん(44)の「時が滲(にじ)む朝」(「文学界」6月号)が選ばれた。楊さんは22歳で来日してから日本語を学んでおり、日本語を母国語としない外国人の受賞は芥川賞73年の歴史で初めて。中国人の受賞も初めてとなる。
2度目の候補で賞を射止めた楊さんは「とても感激しています。この小説にはいろんな思いがあり、作品が評価されたことに感動しています」「九州に住む妹に電話で受賞を知らせたら、『勘違いじゃないの』と言われて、一瞬、そうかと思った」と笑顔を見せた。
直木賞は井上荒野(あれの)さん(47)の「切羽(きりは)へ」(新潮社)に決まった。父は作家の故井上光晴さん。
副賞は各100万円。授賞式は8月22日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。