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朝日VS産経・読売 竹島「解説書」問題で立場分かれる

2008/7/15      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ!   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント  

   日韓両国が領有権を主張している竹島(韓国名: 独島)の問題が再燃している。文部科学省が中学社会科の新学習指導要領の解説書に竹島問題を初めて登場させることになり、竹島を実効支配している韓国側が猛反発しているのだ。一方、「固有の領土」という表現を避けるなど、外交的配慮も見られた。この対応に、産経・読売は反発しているが、朝日新聞は「島の領有は韓国ナショナリズムのゆるがせにできない柱」と、立ち位置が少々異なるようだ。

朝日新聞は韓国ナショナリズムに理解

各紙の主張は分かれている
各紙の主張は分かれている

   文部科学省は2008年7月14日、08年3月に改訂された学習指導要領の解説書を公表した。中学社会科向けの解説書には、これまでにも北方領土問題についての記述はあったが、 「北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせる」などと初めて竹島問題についての記述が登場。一方、「固有の領土」との表現は避け、韓国側への配慮も見せた。

   それでも韓国側は猛反発しており、李明博大統領が「深い失望と遺憾の意を表明せざるを得ない」とのコメントを発表し、駐日大使の一時帰国を決めた。ソウルの日本大使館前では抗議デモも行われている。

   こんな状況に対して、各紙の社説(08年7月15日)を見ると、大きく評価が割れている。日本側の「配慮」に反発したのが、産経・読売の両紙。

   読売新聞は「『竹島』明記は遅いぐらいだ」と題して、竹島問題が解説書に登場したことは妥当との見方を示しながらも、「外交的配慮」については、

「外交上の配慮と、主権国家として歴史や領土を次世代に正しく伝えていくこととは、次元が異なる」

と批判的だ。

   産経新聞は、さらにラディカルで、1面に「禍根残す『外交配慮』」と題して編集長の署名入りのコラムを掲載。社説でも

「竹島が日本固有の領土であることがはっきりと書かれておらず、大いに不満が残る」

とした上で、「外交的配慮」については、

「日本の公教育の将来に禍根を残したといえる」

と改めて批判した。

   立ち位置が大幅に異なるのが、朝日新聞だ。結論こそ

「互いに主張し、違いがあればあることを認め合ったうえで、冷静に打開を図る。それ以外にない」

と結ばれているものの、

「日本が竹島を島根県に編入した1905年は、日本が韓国から外交権を奪い、併合への道筋を開いた年だ。竹島は、日本による植民地支配の象徴とされている。韓国の人たちは『独島』と呼び、『独島、われらが土地』という唱歌で子どもの頃から愛国心を培ってきた。島の領有は韓国ナショナリズムのゆるがせにできない柱なのだ」

と、韓国側の事情や心情に理解を示している。

毎日・日経は「冷静な対応を」との主張

   一方、毎日・日経は、「冷静な対応を」との主張を前面に押し出している。

   毎日新聞は

「一朝一夕には解決が難しい問題で大切な日韓関係を逆戻りさせては何の得にもならない」

とし、日経新聞は

「先行き見えぬ朝鮮半島情勢」と題して、半島情勢全般について論じる中で「竹島は日本の領土である」

としながらも

「竹島を巡る対立を大きな政治問題にしないよう、日韓政府の努力を望みたい。日韓対立の激化は北朝鮮を喜ばすだけである」

として、事態の沈静化を求めている。

   ブロック紙に目を転ずると、河北新報(仙台市)は、

「心配なのは歴史教科書や靖国問題のように両国のナショナリズムに火がつき、ぎくしゃくした日韓関係が再燃することだ」

とした上で、日経同様に「日韓の対立は北朝鮮を利するだけ」との見方だ。

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