【ソウル=牧野愛博】中学校の学習指導要領解説書への竹島(韓国名・独島)の記述に抗議する韓国人市民が14日夜、ソウル市の日本大使館前の道路上に集まった。100人余りが「独島はわが領土」などと叫びながら、記述の削除を要求した。
警察当局は、インターネット上での呼びかけで集まった市民が大部分とみている。一部は大使館の敷地内に生卵を投げつけたり、警備の警察官ともみ合いになったりした。20人ほどが15日朝まで大使館前に居残った。
14日夜は別の場所で米国産牛肉の輸入に反対する「ろうそく集会」もあった。参加者の一部は、李明博(イ・ミョンバク)大統領を「独島まで与えるのか」「独島も守れない」などと批判。集会後に日本大使館前に移動する市民もいた。韓国政府は、下火になりつつある集会が竹島問題で再燃することを警戒している。
一方、15日付新聞各紙や同日朝のテレビニュースはいずれもトップで竹島問題を報道、日本の対応を批判した。大手紙の社説では、東亜日報が「日本の真の変化を期待することは非現実的」として、李氏に強硬な対応を要求。一方で「日本の挑発に一喜一憂する必要はない」(朝鮮日報)として、冷静な対応を求める社説もあった。