冷凍食品大手・加ト吉(香川県観音寺市)グループをめぐる循環取引事件に絡み、みずほ銀行(東京)系列の債権買い取り会社から11億円余りをだまし取ったとして、香川県警は15日、加ト吉元常務の高須稔容疑者(69)ら3人を詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。
他に逮捕されたのは、貿易会社・旧元光(げんこう、現元泰、同県宇多津町)元社長の山元憲治(59)と、中堅商社・旧茶谷産業(現テルシア、大阪市)元営業部長の古山周(62)の両容疑者。高須容疑者は調べに「間違いありません」と容疑を認めているが、山元、古山両容疑者は否認しているという。
捜査2課の調べによると、高須容疑者らは06年8月、加ト吉子会社の加ト吉水産の代表取締役の偽造印で売買契約書などを作り、加ト吉水産が旧茶谷産業から健康食品を購入する取引があったように偽装。旧茶谷産業が加ト吉水産に購入代金を請求する「債権」を持っているよう見せかけ、みずほ銀行系列の債権買い取り会社にこの「債権」を売却し、約11億3千万円をだまし取った疑い。
加ト吉グループでは昨年3月、伝票だけを回して売り上げを計上する循環取引が発覚し、同社の連結売上高は01〜06年度で総額1061億円水増しされていた。加ト吉は今年4月、日本たばこ産業の完全子会社になっている。