福岡市立こども病院・感染症センター(中央区)移転問題は、人工島(東区)への移転の是非を問う住民投票を求める事態になった。患者・家族でつくる「こども病院の人工島移転を考える会」(佐野寿子代表)らは14日の会見で「できればこういう方法はとりたくなかったが、せざるを得ない状況」と述べた。
考える会は新たに「市こども病院人工島移転の是非を問う住民投票を実現させる会」を発足、8月31日から直接請求の署名を集めるという。請求代表者には佐野代表、西頭京子代表のほか、「こども病院の人工島移転中止を求める会」の脇義重代表や「博多湾会議」の荒木龍昇代表らが加わる。
佐野代表らは、吉田宏市長が今月中にも移転方針を決定し、9月議会に土地取得議案提出を目指すスケジュールを問題視。「患者、市民向け説明会(5、10日)で私たちの声が市側に届いていないと感じた」と話した。
会は署名集めをする受任者を2000人以上確保した上で、8月31日から3万人を目標に署名活動を始め、年内にも住民投票条例案の議会上程を目指す。【鈴木美穂】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2008年7月15日 地方版