誤診で重度の後遺症が残ったとして、岐阜県内に住む男児(7)と両親が、岐阜県と県立多治見病院小児科部長を相手取り、損害賠償など約1億9300万円を求めていた訴訟は14日、名古屋高裁で和解が成立した。岐阜県が原告に謝罪し、再発防止策を徹底して損害賠償など約1億8000万円支払う。
訴えによると、当時1歳だった男児は01年12月19日、同病院に入院。同月22日に小児科医師が男児を「川崎病」と診断して治療を始めたが高熱が続いた。入院から11日後に細菌性髄膜炎と分かったが治療が遅れ、脳障害を負った。手足が動かせず、言葉も話せないなどの障害も残った。
名古屋地裁は06年4月、「早期に適切な処置を行っていれば、後遺症は回避できた」とする原告側の主張を認め、県などに約1億8000万円の支払いを命じた。県側は控訴していた。
和解を受け、多治見病院の舟橋啓臣院長は「重大な後遺障害を生じさせ申し訳ない。二度と起きないよう、細心の注意を払って医療に取り組みたい」とコメントした。【稲垣衆史】
毎日新聞 2008年7月15日 中部朝刊