下のグラフはITT-WEBの伊藤氏がXOOPS公式サイトのユーザ数を分析したものです。公式サイトが開設された200*年*月(*1)より常に右方上がりで登録者数が増えているのがわかります。
もっとも、公式サイトは一度ユーザ登録すると退会できない仕組みなので、実際にアクティブなユーザがどのくらい存在するかはわかりませんが、ユーザ登録はせず、フォーラムを読むだけの利用者も多いことを考えると、相当な数のユーザ人口があると想像できます。
他のCMSと比較した場合、その機能やデザインの完成度では、残念ながらXOOPSは負けているかもしれません。ですが、日本国内だけでも、これだけの数のユーザ人口があり、しかも日々増加していっているわけですから、今もっとも期待されているCMS(*2)であることは間違いありません。
▼XOOPS公式サイト登録者数の推移
ユーザ数が多いということは、必然的にこれに関連する情報も多くなります。XOOPS関連書籍は本書(*3)を含めると既に10冊以上が刊行されています。XOOPS本家サイトから分離したXOOPS Cube公式サイトも、フォーラム構成をリニューアルして、ますます投稿が活発になってきているようです。
それと同時に、ユーザ層にも変化が見られます。以前はどちらかというと趣味でサイト構築を行いたいがために、無料で手に入るXOOPSを使う、そして自分の使いやすいようにコードをカスタマイズする、そんな行為自体を楽しみにしている個人ユーザ中心だったようです。
現在はこれに加えて、本職のWebデザイナーや企業ユーザも増えてきています。特に企業レベルでのXOOPS採用が静かなブームとなりつつあり、ポスト企業ブログ・ムーブメントの一端を担っているともいえます。
こうした中、Web標準化やコンテンツの可読性といった、どちらかというとコア開発チームにとってふれられたくない部分に遠慮なく切り込んでくるユーザも登場して、少しずつではありますがXOOPSは改良される方向に向かっています。
これらの内容から、XOOPSの優位性としてあげられるものは「情報の豊富さ」と、「ユーザ・コミュニティの活発さ」です。ツール選択の上でこれはとても大きなポイントとなるとなるでしょう。
(*1)公式サイトの開設時期について、調べていません。誰かご存知でしたら、教えてください。
(*2)この記事は、2005年ごろ書きました。今はどうでしょう?
(*3)この記事は、「XOOPSによるポータルサイト構築」の続編として企画された書籍のために書きました。「本書」に該当するその企画はリニューアルされて、新たに書き下ろし中です。