厚生労働省職員による官用パソコンを使った業務外のホームページ(HP)閲覧が1日12万件にのぼっていた問題で、東京・霞が関の本省に勤務する30代の男性職員が勤務時間中、官用パソコンを使って、自身が所属するロックバンドのライブを宣伝する書き込みをしていたことが14日、分かった。職員は書き込みしたことを認め、「(バンド活動で)報酬は一切もらっていない」としているが、同省は無報酬であっても職員の兼業を原則禁じており、公務員のモラルを問われる事態になった。(鎌田剛)
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この職員は5月21日午後1時15分ごろ、インターネットの掲示板に「ワンマンライブです」と、同月31日に東京・下北沢で行われたライブの告知やチケットの購入方法を紹介する宣伝を書き込んだ。約30分後にも別の掲示板に「ワンマンライブします!」と、同様の書き込みをしていた。2つの掲示板には、厚労省の官用パソコンを使用した際に相手側のHPに記録される固有の文字列が残っていた。
職員はこのバンドに2月に正式加入し、掲示板で宣伝したライブにもギター奏者として出演。入場料は1500〜2500円で、130〜140人のファンが訪れたという。
また、6月に発売されたCDアルバムの製作にも職員は深くかかわっていた。関係者によると、都内の大手CD店では試聴コーナーに入るほど注目されていたという。同月下旬には香港、中国のライブツアーにも参加していた。
職員は取材に対し、書き込みを認めたが、報酬は得ていないとし、国家公務員法で禁じられている兼業にはあたらないと主張している。
厚労省大臣官房によると、無報酬の営利活動参加は違法ではないが、省内の取り決めで原則禁止しているという。
厚労省は昨年10月、官用パソコンの業務外使用を禁止。だが、今年5月7日に抜き打ちで調査したところ、閲覧ページ数で少なくとも12万2000件にのぼるゲームやお笑いなど業務と関係ないHPの閲覧が見つかった。
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