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不満足な結果に文科省いらだち 竹島記述
「あとは教科書検定できちんとやってくれ」。14日午後の記者会見で、学習指導要領の解説書について「良い案ができた」と“公式見解”を発表した文部科学省幹部は、会見後にこうぼやいた。自己採点はギリギリ及第の「65点」という。
文科省は、従来の教科書検定で「日韓双方が領有権を主張する」との第三者的な記述に検定意見をつけてきた。だが、今回の解説書では「我が国と韓国の間に主張に相違があることにも触れ」と記述。韓国側の主張を認める格好になり、検定方針からも明らかに後退している。
小泉政権下の中山成彬文部科学相(当時)は平成17年3月、参院で「竹島も学習指導要領に明記すべきだ」と答弁。だが、指導要領案が公表された今年2月は、韓国の李明博大統領が就任した時期で、結局、外交的配慮から見送られた。
文科省では、解説書に明記することで「実質的な領土教育充実」をはかる考えだった。だが、解説書でさえ外交的配慮から領有権の明記を見送る結果に終わり、「竹島は韓国に不法占拠されている」という政府の公式見解が教育の場に示されることはなかった。
文科省幹部は「北方領土と違い、竹島は交渉のテーブルにさえのっていない。この違いは大きかった」と無念をのぞかせた。