東京・築地市場(中央区)の移転予定地の豊洲地区(江東区)の土壌汚染対策を検討する東京都の専門家会議が13日にあり、地下2メートルまでの土壌を全部入れ替える報告書案が示された。環境基準の930倍のシアン化合物が新たに確認されたことも報告された。
報告書案では、予定地約40ヘクタールで地下2メートルまでの土壌を全部入れ替え▽地下2メートルより下では汚染土壌を環境基準以下に処理▽地下水は建物が建つ場所では着工前に環境基準以下に、建物がない場所では将来的には環境基準達成などの方針が示された。「揮発したベンゼンやシアンを含む空気が人や食料品に影響する可能性はきわめて低い」という。
専門家会議は報告書案への一般からの意見を求め、26日の会議で正式に決める。
追加調査は、すでに実施した約4千カ所の調査のうち、環境基準を超えた土壌と環境基準10倍超の地下水が検出された441地点で実施。1メートル間隔で掘り下げた3134検体のうち683検体(21.8%)で環境基準を超えた。ベンゼンで基準の千倍を超えたのは7検体(0.2%)だった。同会議は「汚染の範囲は局所的」と指摘した。