岡山放送局

2008年7月14日 20時43分更新

犬島貝塚から九州由来の土器


いまからおよそ1万年前の縄文時代に、九州で作られたものと同じ種類の土器が岡山市の犬島貝塚で見つかり、研究グループは、当時、九州から東に土器の技術を伝える人の交流があったことを示す貴重な資料とみて詳しい調査を行うことにしています。

岡山市の沖合、地竹ノ子島にある犬島貝塚は、およそ1万年前、縄文時代前半のものとみられる貝塚で、ことし5月から、千葉県にある国立歴史民俗博物館の研究グループが調査したところ、崩落した岩の中から古い土器の破片が見つかりました。

研究グループが詳しく調べたところ、表面にある穴やきざみの模様などの特徴から、およそ1万年前の縄文時代前半に九州地方で作られていた「焼成前穿孔土器」と呼ばれるものと同じ種類の土器であることがわかりました。

この種類の土器は、九州以外ではこれまでに高知県の刈谷我野遺跡で見つかったことがありますが、瀬戸内海沿岸などその他の地域で見つかるのは初めてです。

調査にあたった国立歴史民俗博物館の遠部慎研究員は、「当時、九州から東に土器の技術を伝える人の交流があったことを示す貴重な資料だ。」と話しています。

研究グループでは来月から本格的な発掘を行い、当時の生活や人の交流について詳しく調べることにしています。