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急性期医療の機能を強化 山大病院新南病棟の完成式典

2008年07月14日 20:57
最先端の機器を備えた術中MRI手術室を視察する関係者=山形市・山形大医学部付属病院
最先端の機器を備えた術中MRI手術室を視察する関係者=山形市・山形大医学部付属病院
 山形大医学部付属病院の再整備事業計画に伴い、建設が進められていた新南病棟の完成記念式典が14日、現地で行われた。手術部、救急部を拡充するなど、高度な急性期医療を担う地域の中核病院として機能強化が図られた。

 手術室は従来の9室から12室に増設。手術中に画像診断を取り入れることで、より正確で高度な手術が可能となる最新の「術中MRI(磁気共鳴画像装置)」を導入したほか、臓器移植や内視鏡手術にも対応している。救急部は、救急患者の増加を受けて面積を約4倍(530平方メートル)に拡大。化学兵器テロ対策として、除染室や感染症患者用の特殊診察室を設けた。

 内科、外科などの科ごとの編成から、疾患や臓器別のセンター化に転換する診療体制の再編も特徴。患者の負担を軽減するのが狙いで、既に循環器病と呼吸器病をセンター化しており、今後は脳卒中や消化器病などで体制を整備していく。病室は従来の6床室から4床室に変更する一方、一室の面積は約5.5平方メートルから約8平方メートルに拡大。病床はこれまで同様の604のままで、個室数は21から41に増やしている。

 この日の式典では、嘉山孝正医学部長が「新病棟の整備は、付属病院が世界的メディカルセンターに雄飛する第一歩だ」と強調。結城章夫学長は「付属病院が担う教育、研究、診療は重要で、期待も大きい。日本で最も理想的な大学病院を目指して努力を重ねていく」と述べた。

 新南病棟は、鉄筋コンクリート造りの10階建てで、延べ床面積は約1万1000平方メートル。総工費は約53億円。再整備計画の第1期工事で、今後は既存病棟の改修に移行する。

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