奈良放送局

2008年7月14日 20時30分更新

妊婦死亡 夫と主治医が証言


おととし大淀町の町立病院で妊婦が出産中に意識不明になって死亡したのは医師の診断ミスが原因だと家族が訴えた裁判で、夫と主治医が出廷してそれぞれ証言しました。

この裁判は、おととし8月町立大淀病院で出産していた高崎実香さん(当時32)が意識不明となって死亡したのは主治医が脳内出血を見逃したのが原因だとして、夫の晋輔さんらが町と主治医に損害賠償を求めているものです。
実香さんを別の病院に搬送する際に19の病院から受け入れを断られたことから、いわゆる「たらい回し」のケースとしても注目されました。
14日に大阪地方裁判所で開かれた裁判で、夫の晋輔さんと主治医が出廷して弁護士の質問にそれぞれ答えました。
この中で晋輔さんは「妻が頭痛を訴えて意識を失った時、主治医は『様子を見ましょう』と言っただけで、1時間半後にけいれん発作が起きるまで宿直室にいた」と証言し放置されたと主張しました。一方、主治医は「当直の内科医の診断はストレスによる失神だったので助産師に様子を見るよう指示した。けいれんが起きた段階では高血圧による発作を疑い、もっと高度な医療機関に移す必要があると考えた。当時の対応はまちがっていないと思う」と反論しました。