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韓国女性射殺:世界のメディアも主要ニュース扱い

 北朝鮮の金剛山観光地区で、韓国人観光客のパク・ワンジャさん(53)が北朝鮮軍の兵士から銃撃を受け死亡した事件について、世界の主なメディアは時間を割いて報道し、南北関係がさらに悪化するという見通しを示した。

 ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルといった米国の主要紙は12日、この事件を国際面のトップで報じた。ワシントン・ポストは今回の事件が、短期的には明らかに、韓半島(朝鮮半島)の情勢をさらに複雑化させるという見通しを示した。また、北朝鮮が韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領に対し、「米国の犬」と非難するだけにとどまらず、「韓半島の平和的な対話を妨害している」と強く批判している、と報じた。

 ニューヨーク・タイムズは国際面の紙面の3分の2を割き、李大統領の北朝鮮に対する提案の実現が、今回の事件で危うくなった、と報じた。李大統領は今月11日、これまでの強硬的なアプローチを見直し、全面的な南北対話の再開や人道支援などを提案したが、今回の事件で今後の見通しは不透明になったという見方を示した。

 ウォールストリート・ジャーナルは今回の事件が、最近悪化の一途をたどっていた南北関係にさらなる打撃を与えた、と指摘するとともに、一部の韓国国民は北朝鮮側の説明に疑念を抱いている、と報じた。また、北朝鮮側が今回の事件について、金剛山観光事業を実施している現代峨山に知らせ、現代峨山がこれを韓国政府に報告するまでに時間がかかりすぎていることも、さらに疑惑を深めている、とも報じた。

 一方、CNNテレビは今回の事件が発生した直後、ニュースキャスターが「緊急速報」でこの事件を報じ、また韓国統一部の報道官が共同調査や謝罪を求めたこと、北朝鮮側がこれを拒否したことなども速報で報じた。また、ボックス・ニュースやCBSテレビなども、今回の事件を速報で報じた。

 中国のメディアも、今回の事件を主要ニュースとして扱っている。国営新華社通信は13日、「李明博大統領が今回の事件について、“軍人でもない一般の観光客を銃撃した”ということに対し遺憾の意を表するとともに、徹底的な調査を指示した」ことなどに触れ、「南北双方が相手の責任に言及し、非難合戦を繰り広げている」と報じた。一方、香港紙「文匯報」も、国際面の「北朝鮮軍兵士が韓国人観光客を射殺、南北双方が非難合戦」と題した記事で、事件の概要について簡潔に紹介した上で、「“朝鮮日報”が北朝鮮側の謝罪と韓国政府の調査活動に対する保障などを求めた」と報じた。同紙は特に「朝鮮日報」を引用し、「事件が発生した海岸につながる道に警告表示もなく、兵士も立っていなかったため、パクさんは無意識のうちに立入禁止区域に入り、北朝鮮の兵士が後になって気付いて照準射撃を行った可能性がある」とした。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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