故障の二岡が女キャスターとのスキャンダルで球団から厳重注意

●自力Ｖ消滅もファンのストレスも「そんなの関係ねぇっ」てか

　雨で中止になった甲子園の三塁側ベンチ。空を見上げる巨人ナインの話題は、ひとりの選手のことで持ち切りだった。

　選手会長でもある二岡のスキャンダルだ。１０日発売の女性誌によれば、二岡は今月６日に後輩選手やお笑い芸人と新宿２丁目で午前４時過ぎまで痛飲。その後、同席していた女性キャスター、というより、民主党議員との不倫疑惑で有名になった山本モナと、仲良く五反田のラブホテルにしけ込んだという。

　二岡は０５年オフにフリーアナウンサーと結婚。昨年６月には第１子を授かっている。同業の女との火遊びに夫人の心中は容易に察しがつくが、巨人の怒りもハンパじゃなかった。

●「腹立つ。叱り飛ばしてやる」

　報道を受け、急きょ、清武球団代表が甲子園で報道陣に異例の対応。二岡に「厳重注意した」ことを明らかにするとともに、感情的な言葉で不快感をあらわにしたのだ。

「非常に私的な問題とはいえ、残念というか、個人的に言うと腹立たしいし、腹が立つ。今度、会ったら叱り飛ばしてやりたい。野球選手が恥、名誉を回復するには、グラウンドで取り返すしかない。社会的な批判を受けて、それに耐えて戻ってくるしかない」

　昨秋に左ヒザを手術した二岡は、今季開幕戦で今度は右足を肉離れ。たった１試合で一軍登録を抹消されると、３カ月以上たった今も二軍で油を売っている。１１日からの横浜戦をメドに一軍復帰する予定にはなっていたものの、これまで何度かあった首脳陣からの復帰要請を「足の不安がまだ解消されない」と断り続けてきた。そんな二岡が「夜は元気です！！」じゃ、原監督でなくとも、頭にくる。清武代表は、「一軍合流と（今回の問題）は切り離して考えている。アスリートとしての状態を首脳陣が判断すればいい」と言ったが、「監督は話題を振るのもためらうほど怒っていた」（チーム関係者）というから、一軍復帰の予定も白紙に戻されそうだ。

●二岡だけじゃない

　巨人ファンで知られる日大名誉教授の北野弘久氏がこう言う。

「いかに今の巨人に緊張感が欠如しているか。それを証明するような醜聞ですね。実際、今季の巨人の試合を見ていても、選手から覇気やヤル気がほとんど感じられない。８日に早々と自力優勝の可能性が消滅したが、彼らはそれを恥ずかしいとも思っていないのではないか。楽天や阪神の試合を見ていると、テレビ画面からも選手の必死さが伝わってくる。巨人にはほとんどそれがない。これは選手だけの自覚の問題ではないような気がしますね。球団の構造や体質、原監督のリーダーシップ、そういう諸々の問題が重なって、選手全体のタガが緩んでしまっているのでしょう。遊ぶなとは言いません。息抜きは必要です。でも、そこには節度が必要です。特に巨人の選手は高い給料をもらっている。それは遊ぶための金ではない。成績、結果、それによって得るファンの支持の対価なんですから。選手がそんな当たり前のことすら理解できないのは、指揮官の責任もあります」

　手厳しい批判だが、これに反論できる選手は巨人に多くはない。新宿２丁目のドンチャン騒ぎには、右ヒジの故障で二岡と同じく二軍でリハビリ中の矢野もいた。

　つい先日は、これも二軍での再調整を命じられている中堅選手が、銀座近くで焼酎のグラスをあおっている姿が他球団関係者に目撃されている。若手選手の中には、練習より合コン、という手合いも少なくない。名古屋からの移動日だった７日には、案の定、北新地やミナミといった繁華街で巨人ナインの姿が見られた。

　この日、４位の広島が２位の中日にサヨナラ勝ち。３位の巨人と中日の差はなくなったが、広島との差はわずかに１ゲームとなった。広島のサヨナラのヒーロー天谷は、お立ち台で「これからも必死に戦います！」と絶叫して目を真っ赤にしていた。選手の気持ちに雲泥の差がある。巨人はＡクラス入りも危うい。

【2008年7月10日掲載】