通勤の列車やバスの光景が変わってきた。新聞や本を読む人より、携帯電話の画面をにらむ姿が増えた。最近はイヤホンをつけて、しきりに首を振る若者たちが目立つ 米国生まれの人気携帯電話が日本に上陸し、長い列ができた。音楽プレーヤー内蔵の「第3世代」で、爆発的なヒット商品になるとうわさされる。イヤホン族がもっと街中にあふれるのだろう 今の若者の音楽センスには脱帽する。携帯プレーヤーが大いにあずかってのことだろう。次々と登場する新しい機能を使いこなす若さが、うらやましくもある。が、傍若無人なイヤホン姿も見受ける。人込みの中で首を振ったり、自転車に乗って耳の中の音楽に陶酔している姿を見ると、場所柄をわきまえよ、とおせっかいの1つも焼きたくなる 手前みそになるが、テレビやインターネットよりも、新聞を情報源として評価する調査結果があった。これだけ多用な情報媒体が増えても、活字の力は依然大きいとみんな認めている だから、耳もいいが目も使おう、と言いたい。「耳栓」に夢中の若者たちに、声を大にしてそう言いたい。
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