話にならない韓国人の国語力(中)
同じく01年にソウル大学国語教育学科の閔賢植(ミン・ヒョンシク)教授が発表した「国語使用実態指数開発および調査方法に関する研究」によると、小学校から大学生までの児童・生徒・学生および一般人1069人を対象に行った国語のテストの平均点は100点満点中35.21点だった。1995年に同様のテストを行った際は平均54.33点だったことからすると、大幅なダウンだ。
こうした不十分な国語力のため、あちこちで笑えない事態が起きている。
ソウル市蘆原区のある塾で、中学生に小論文を教えているシンさん(30)=女性=は偶然、中学3年生の男子生徒たちのおしゃべりを耳にした。その生徒たちは『春香伝』のヒロイン春香(チュンヒャン)と悪役の卞(ピョン)府使(=地方官吏)になったつもりでふざけ合っていた。すると、「さあ、わたしの粛清をせよ」というセリフが聞こえてきたという。「粛清(韓国語で“スッチョン”、反対派を処断したり排除したりすること)」と「守庁(韓国語で“スチョン”、女性や妓生〈キーセン=芸妓〉が官吏に身をささげ、世話をすること)」の区別がつかなかったのだ。
家庭教師で高校1年生に小論文を教えているイさん(29)=女性=は、生徒が書いた文章を読んで仰天した。その題は「すべては森(韓国語で“スプ”)に帰す」だった。文脈から考える限り、「水泡(韓国語で“スポ”)に帰す」(=水の泡になる、ムダになる)とすべき文だった。イさんは「この間も、クラスで10位以内に入る中学3年生の生徒が“門外漢”(韓国語で“ムノェハン”、ある分野の専門知識がない人)を“無脳漢”(韓国語では同じ発音だが、ハングルの表記法が違う)と書いていた。“これがどういう意味になるか分かっているの?”と聞くと、“無脳児のように脳がない人のことでしょ?”と言われた」と話す。
これは、小中高生だけに限った問題ではない。ある地方大学の社会学科教授(61)は「先学期にわたしが指導していた学生は、“選挙”“規則”など基本的な単語が漢字で書かれている教養科目の国語のテキストを持って来て、“漢字の下にハングルを書いてください”と言った。それを聞いて、“一体どうしてこんなに学生のレベルが下がってしまったのか”と思った」と語る。
オ・ユンヒ記者
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