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話にならない韓国人の国語力(上)

中学「国語優秀生徒」年々減少

大人の読解力もOECD加盟国で下から5番目

「漢字教育をなおざりにしたせい」 

読書量も不十分  

 慶尚北道にあるA大学哲学科の教授は、教養科目の講義をしていたとき、あきれた体験をした。学生たちに「他者(韓国語で“タジャ”)」の概念を説明していたところ、ある学生がサッと手を挙げた。「教授、もしかして“ タッチャ”(賭博で相手をだます人。いかさま師)の間違いじゃありませんか」。この教授は「はじめは冗談だと思ったが、学生が本当に分かっていないことが分かり、一瞬目まいがした」と話す。

 韓国人全般の国語力に赤信号がともっている。その根底には、「コミュニケーションに不自由しないから問題ない」「自分の国の言葉だから勉強しなくてもいい」という考え方や、「英語狂風」と言われるほど英語を優先するあまり、国語に力を入れなかった社会の風潮があるとみられる。

 韓国教育課程評価院が2004年から06年までの3年間、全国の中学3年生の学習達成度テスト評価を分析したところ、国語で「優秀」と評価された生徒の割合は2004年の14.1%から05年は12.8%、06年は11%へと低下の傾向にある。一方、同期間で英語が優秀な生徒の割合を見ると、04年の18.6%から05年は20.1%、06年は20.5%へと増えている。さらに、国語の基礎力が不足している生徒の割合は05年の4.4%から06年には7.4%へと大幅に増えていた。

 韓国教育開発院が01年に発表した「韓国成人の文解実態およびOECD国際比較の調査研究報告書」によると、韓国の成人の「文書文解力」(計画表や地図など、ハングルで書かれている各種文書を読み理解する力)は500点満点中237.5点で、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心とする調査対象22カ国中18位だった。同部門1位のスウェーデンは305.6点。また、「散文文解力」(新聞の社説・詩・小説などの理解力)でも韓国は中・下位圏だった。

オ・ユンヒ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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