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【萬物相】国旗礼遇

 中国・広東省深センの日系企業は2005年12月、会社の掲揚台に会社の旗と日本国旗の日の丸、中国国旗の五星紅旗を掲げる際、日の丸を1メートルほど高く掲揚した。これを見かけた中国の人々はインターネットに写真を掲載した。この写真は同年、日本の教科書問題で火がついた反日感情に油を注いだ。この会社は日の丸を低くし、中央に五星紅旗を掲揚せざるを得なくなった。

 中国共産党は1949年9月、五星紅旗を国旗と決めたが、掲揚方法などを規定する国旗法は90年にできた。国旗法では、五星紅旗が複数の旗と共に掲揚される場合、一番前または中央に掲げるよう定めている。他国の国旗の高さが五星紅旗より高くてもダメだ。これまで、五星紅旗は2回、半旗で掲げられた。76年の毛沢東死去時と、今年5月の四川大地震による犠牲者を追悼する時だ。

 2001年、ソウルのある大学で開かれた集会で、学生たちは米国の星条旗を地面に敷き、踏みつけた。これを見た米国人少年3人は、星条旗の前でスクラムを組んで座り込み、韓国の学生たちが踏めないようにした。米国の学校では児童・生徒・学生らが毎朝国旗に敬礼し、「忠誠の誓い」を唱える。星条旗は公園・教会・マーケットなど至る所に掲げられている。州旗のように、外国の国旗ではない旗と共に掲揚する際は、最も高い所や中央に掲げるよう、法律で規定してある。

 掲揚台に韓国国旗の太極旗を最も高く掲げるよう定めた大韓民国国旗法施行令改正案がおととい、国務会議を通過した。これまで、太極旗は機関・部処(省庁)などのほかの旗と同じ高さで掲揚されていたが、今後は旗の幅の分だけ高く掲げるようになる。掲揚台が奇数ならば太極旗を中央に、偶数なら中央2つのうち左側に掲げる。外国の国旗と共に掲揚する場合は、同じ高さで中央または一番左に掲揚することになる。

 韓国の国旗法は昨年7月にやっと制定された。1948年の韓国政府樹立以来、法律より下位に当たる大統領令だけで国旗の規格や掲揚方法を決めていた。憲法で国旗規定を明文化している国は90カ国にのぼり、ほとんどが法律で国旗の尊厳を規定している。裏を返して言えば、それほど韓国人は国家の象徴である国旗を粗末に扱ってきたわけだ。国旗法第5条は「すべての国民は国旗を尊重し、愛好しなければならない」と定めている。しかし、住宅街で祝祭日に太極旗を掲げている家はだいぶ少なくなった。建国60年、これを機会に太極旗に対する国民の姿勢も振り返るべきだろう。

金泓振(キム・ホンジン)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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