詐欺犯罪の予防対策
事件から学ぶ、予防方法

振り込め詐欺口座転売

2008/5/24更新

千葉県の夫婦が転売した口座が、県内の女性が約1000万円をだまし取られた振り込め詐欺に利用された事件で、口座を買い取っていた男が「東京で売りさばくから、まとめて口座をつくれ」と夫婦に持ち掛けていたことが、18日までの富山中央署の調べで分かった。男は夫婦に対し「警察に捕まっても何も知らないと言え」と口封じもしていた。この夫婦は、以前に千葉県鴨川市東町に居住しており、幾度か転居を繰り返し、千葉県市原市にて、無職、加藤金悦被告(71)と京子被告(68)=ともに詐欺罪で起訴済み。男は京子被告のアルバイト先の知り合いで「サクマ」と名乗っていた。男は昨年秋、両被告に対し「口座は振り込め詐欺ではなく、税金逃れに使う」と買い取る口座について説明。「(口座は)一つ二つではだめだから、まとめてつくれ」と話し、都銀の口座は1万5000円、そのほかの金融機関の口座は1万円で買い取ると持ち掛けた。同日、富山地裁で初公判があり、両被告は起訴事実を認めた。起訴状などによると、両被告は昨年9月に千葉市内の信用金庫で金悦被告名義の口座を開設し、通帳とキャッシュカードをだまし取って転売した。富山地検は、ほかの金融機関でも口座を開設し売り渡していたとして、追起訴する方針。振り込め詐欺被害に遭った富山市の女性は昨年10月、「息子が女性にけがをさせた。示談金がいる」と要求され、1100万円余りを振り込んだ。うち100万円が、両被告が売却した千葉市内の信金の口座に振り込まれたが、女性が警察に相談し詐欺グループの手に渡る前に取り戻した。最後に、この夫婦は、十数年前に息子に対しても傷害罪に等しい行為をしている。具体的には、本人の意思確認をせず、病院の診察も受けさせずに、虚言によって医師から得た向精神薬を、食事に規定量以上混入し、騙して食べさせ、精神病院へ強制的に入院させていた。

千葉県鴨川市東町の地図