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2005.12.15 放送

歯を守る秘策 ご近所にあり

歯が抜けるのは老化現象?やはり歯にも寿命があるんでしょうか…いえいえ違います。日本人の歯が抜ける二大原因は、歯周病と虫歯。そのいずれもが、歯こうの中に住む「細菌」のしわざです。
一生自分の歯を保てるかは、この細菌たちの攻撃から歯を守れるかにかかっています。そこで、ご近所ぐるみで取り組める、歯の手入れ法を全国から探してきました。

専門家ゲスト:森山貴史さん(東京歯科大学水道橋病院講師)
 

お困りご近所

横浜市港南区日野地区の皆さん

30年前に分譲されたニュータウン。高齢化が進むにつれ、歯に不安を持つ人が増えています。とりわけ、自覚症状のないまま歯が抜ける、歯周病の悩みは深刻です。
沈黙の病 歯周病の恐怖
歯周病の怖さは気づかないうちに進行するところにあります。国の調査によれば、50代の8割がかかっています。虫歯が痛みを伴うのに比べ、歯を支えるあごの骨がゆっくりと溶ける歯周病は、痛くないぶん手遅れになりがちです。対策はズバリ、細菌のかたまりである歯こうを取り除くこと。3つの妙案をぜひ参考に!
(歯科医 森山貴史さん)

妙案その1

あたれば歯ッピー
〜目からウロコの正しい歯磨き 横浜市旭区〜

毎日歯を磨いているのに、歯が悪くのはなぜ?それは間違った歯磨きをしているからです。そこで正しい歯磨き法をご近所ぐるみで実践している「歯磨き道場」を訪ねました。道場主の歯科医・丸森英史さんから教わりました。

歯こうを落とすコツ 鉛筆でマスター
歯磨きの最大の目的は、細菌のかたまりである歯こうを取り除くことです。力の入れすぎや時間のかけすぎは、かえって逆効果。歯ぐきを痛めたり、歯が削れてしまうので、注意が必要です。正しい歯磨き法をマスターするのに、役立つのが鉛筆。歯こうがたまりやすい歯と歯ぐきの間に、印をつけ、歯ブラシの毛先が歯の表面に直角にあたるようにして、軽く動かします。すると、毛先がうまく効いて、軽く落ちます。この歯こうを狙って落とす感覚・力加減こそが「歯磨きの極意」なのです。
(歯科医 丸森英史さん)
歯の形や歯並びは人によって違うので、直角にあたるように自分なりに工夫しましょう。鏡を見ながらやると、隅々まできれいに磨けるようになります。(毛先が届きにくい歯と歯の間などは、フロスや歯間ブラシの使用がおすすめです)

妙案その2

ふくんで歯ッピー
〜超お手軽 虫歯予防法 新潟県上越市〜

上越市立牧小学校の子供たちは、ほとんど虫歯がありません。
その秘密は30年前から続けている「フッ素」を使ったうがいにあります。
フッ素を使ったうがいは、市販のフッ素入りハミガキ剤を利用すれば、ご家庭でも簡単にできます。虫歯菌の攻撃から歯を守ってくれるフッ素の予防効果は高く、ある調査によれば、虫歯の初期段階の9割がフッ素入りハミガキ剤の使用で改善したそうです。

【うがいのポイント】
1. フッ素が口全体に行き渡るように、ぶくぶく音を立てながらほっぺたを大きく膨らませる。
2. (歯を磨いた後の)うがいに使う水は、フッ素の濃度が薄まらないようになるべく少なめに。コップに1センチ程度が目安。
3. うがいの後はフッ素を定着させるためにしばらく飲食は控える。

妙案その3

通えば歯ッピー
〜痛くない 歯医者利用法 山形県酒田市〜

虫歯を削る音が苦手で、歯医者が嫌いという人に朗報です。
痛い思いをせず、しかも自分の歯を一生保てる、夢のような妙案があります。
山形県酒田市で、25年前に始まったのが「治療」ではなく「予防」のための歯医者通い。虫歯や歯周病の原因となる歯こうは、毎日の歯磨きだけでは完全に取り除くことができません。そこで3か月か半年に一回、歯の清掃をしてもらえば、歯の健康状態を保つことができるのです。歯が悪くならなければ、治療で痛い思いをすることもありません。この妙案に取り組んでいる人はそうでない人に比べ、残っている歯の本数が倍近いことからも、予防の効果は実証済みです。

治療のうまい「いい歯医者探し」よりもっと大事なのは、自分の歯の健康を守ってくれる「かかりつけの歯医者」をみつけることです。定期的に通うのであれば、近くが一番。「予防のために通いたい」とご近所の歯医者で、相談なさってみてはいかがでしょうか。
(歯科医 熊谷崇さん)