県医師会は12日、診療所職員を対象にした医療安全対策セミナーを永平寺町の県立大で開いた。約300人が専門家3人の講義を通じ、感染症予防の基本となる手洗いの大切さや拡大させない対応策を学んだ。
昨年4月の改正医療法施行で、院内感染予防指針の策定や職員研修会実施などが医療機関に義務付けられたのを受けて開いた。
県済生会病院(福井市)の感染管理認定看護師、細田清美さんは、手洗いと消毒のポイントを解説した。三重県内の診療所で6月、作り置きされた点滴液で患者が死亡した事例を取り上げ、手指消毒が不十分だった点や、布タオルが使い回しされていた問題点を指摘。「手洗いをしないことで患者に微生物を感染させていると常に意識してほしい」と語った。
また「適切な手洗いは感染の連鎖を断つことができる。それにケア提供者としての清潔なイメージを患者に持ってもらえる」と強調。患者と自分自身の健康を守る手洗いの重要性を訴えた。