August 02, 2007
「ただいま天候調査中…」の意味は!? -その2-
さて、飛行機の運航を決める次の要素は、雲低高度です。
ギョーカイではCeiling(シーリング、「天井」と言う意味)というのがふつうです。
なぜこんなものを使うかと言うと、
要は「地面を見ることが出来る高さ」を知りたいわけです。
雲低高度が低ければ、当然低い高度まで降りないと、
地面は見えないことになります。
地面が見えないと、パイロットが目視飛行をして着陸することは不可能です。
パイロットがしっかり滑走路を目で見てから着陸するのが基本です。
天気としては単に「曇り」であっても、
雲が極端に低いところまで有れば(ビルのてっぺんが隠れてしまうくらいなど)、
航空にとっては「悪天」なのです。
ですから航空気象台の人は、雲底の高さを測ってくれていて、
これも決まった時間には通報して必ず教えてくれます。
そして、この雲低高度も航空局(つまり国)から最低気象条件として定められています。
空港の周りの山や建物の状況にもよりますが、目視飛行をして着陸するばあい、
例えば500フィート、つまり高度150メートルくらいで雲の下に出られれば良い、
(正確には滑走路が見えればよい)などと定められています。
ですから、視程と同様に、ここも航空会社による差はほとんどありません。
いままでご説明した風、視程、雲低高度の3つの条件だけで
飛行機の運航ができるかできないかの判断はついてしまう場合がほとんどです。
ただ、気をつける必要があるのが、
「滑走路を使う向きによって、最低気象条件が大きく違う場合がある」ことです。
かみくだくと、
「同じ天気でも、風向きによっては欠航してしまう場合がある」でしょうか。
なぜかというと、着陸する方式の違いが原因です。
飛行機は、標準として定められている着陸方式はILSという計器着陸方式です。
ひとくちでいえば、着陸を誘導する電波にのってゆったりと降りる方法です。
この電波に乗って降りてしまえば、技術上は全自動着陸も可能で、
霧で視程数百メートルしかない状態でも降りられる設備も一部の空港にあります。
(国内なら霧の多い釧路、青森、成田、熊本があげられます)
(海外には視程ゼロでもいい空港もあります)
しかし、このILSは滑走路の片方の向きにしか使えません。
滑走路の両方にILSを設置する場合には2セット設置しないといけないのです。
しかも、ILSでの着陸というのは、
目視の場合と比べかなり緩やかな角度で降りてきます。
また、当然ですが誘導電波に乗る20-30kmは、直線飛行です。曲がれたりしません。
つまり、着陸する経路上に山があったりする場合には、
ILSは設置したくてもできないのです。
例えば大阪の伊丹空港は、空港の北西方向に山があるため、
南東方向(RWY14)へ向かって降りる時は山が邪魔してILSが使えません。
・・・という事は、南東方向へ向かって降りる、つまり風が南東寄りのとき、
ILSを使わないとしたら、最低気象条件はかなり高い数字になってしまいます。
つまり、ILSが使えればなんでもない天気でも、
使えないとしたらヤバい天気、ってことはままあります。
具体的に言うと、例えばどんより曇ってシトシト雨、なんていう日は
たいてい目視での着陸は出来ず、ILSを使って降りるのが普通です。
つまりそんな日にILSが使えなかったら、、、ということなのです。
さて、けっこう難しい内容が続きましたのでここで一区切りしましょう。
次は「ILSが使える?使えない?」のあたりを中心にお話します。
ギョーカイではCeiling(シーリング、「天井」と言う意味)というのがふつうです。
なぜこんなものを使うかと言うと、
要は「地面を見ることが出来る高さ」を知りたいわけです。
雲低高度が低ければ、当然低い高度まで降りないと、
地面は見えないことになります。
地面が見えないと、パイロットが目視飛行をして着陸することは不可能です。
パイロットがしっかり滑走路を目で見てから着陸するのが基本です。
天気としては単に「曇り」であっても、
雲が極端に低いところまで有れば(ビルのてっぺんが隠れてしまうくらいなど)、
航空にとっては「悪天」なのです。
ですから航空気象台の人は、雲底の高さを測ってくれていて、
これも決まった時間には通報して必ず教えてくれます。
そして、この雲低高度も航空局(つまり国)から最低気象条件として定められています。
空港の周りの山や建物の状況にもよりますが、目視飛行をして着陸するばあい、
例えば500フィート、つまり高度150メートルくらいで雲の下に出られれば良い、
(正確には滑走路が見えればよい)などと定められています。
ですから、視程と同様に、ここも航空会社による差はほとんどありません。
いままでご説明した風、視程、雲低高度の3つの条件だけで
飛行機の運航ができるかできないかの判断はついてしまう場合がほとんどです。
ただ、気をつける必要があるのが、
「滑走路を使う向きによって、最低気象条件が大きく違う場合がある」ことです。
かみくだくと、
「同じ天気でも、風向きによっては欠航してしまう場合がある」でしょうか。
なぜかというと、着陸する方式の違いが原因です。
飛行機は、標準として定められている着陸方式はILSという計器着陸方式です。
ひとくちでいえば、着陸を誘導する電波にのってゆったりと降りる方法です。
この電波に乗って降りてしまえば、技術上は全自動着陸も可能で、
霧で視程数百メートルしかない状態でも降りられる設備も一部の空港にあります。
(国内なら霧の多い釧路、青森、成田、熊本があげられます)
(海外には視程ゼロでもいい空港もあります)
しかし、このILSは滑走路の片方の向きにしか使えません。
滑走路の両方にILSを設置する場合には2セット設置しないといけないのです。
しかも、ILSでの着陸というのは、
目視の場合と比べかなり緩やかな角度で降りてきます。
また、当然ですが誘導電波に乗る20-30kmは、直線飛行です。曲がれたりしません。
つまり、着陸する経路上に山があったりする場合には、
ILSは設置したくてもできないのです。
例えば大阪の伊丹空港は、空港の北西方向に山があるため、
南東方向(RWY14)へ向かって降りる時は山が邪魔してILSが使えません。
・・・という事は、南東方向へ向かって降りる、つまり風が南東寄りのとき、
ILSを使わないとしたら、最低気象条件はかなり高い数字になってしまいます。
つまり、ILSが使えればなんでもない天気でも、
使えないとしたらヤバい天気、ってことはままあります。
具体的に言うと、例えばどんより曇ってシトシト雨、なんていう日は
たいてい目視での着陸は出来ず、ILSを使って降りるのが普通です。
つまりそんな日にILSが使えなかったら、、、ということなのです。
さて、けっこう難しい内容が続きましたのでここで一区切りしましょう。
次は「ILSが使える?使えない?」のあたりを中心にお話します。
##仕事に必要な資格試験があって、更新が遅くなりました。
次回からはまた週1をめざしてがんばります!よろしくおねがいします!