June 29, 2006
VIP来襲
業務関係の教育訓練等を受けていた関係で、
更新が遅れましたが、今度のネタはVIPについて。
私たち航空会社には、よくVIPもお乗りになられます。
A社もJ社も、どちらにもお乗りになります。
それでも芸能人程度ではVIP扱いにはなりません。
正月あたりに必ずハワイに行ってくれる、
お得意様ではありますが。
ここでいうVIPとは、たとえば皇族や政治家(大臣級)、
国賓としての外国のVIPなどになります。
これらの方々が乗るときには、
シートの周りに付き人や護衛の人も乗りますし、
何より一般の方の座席の隣には出来ないので、
普通10以上の座席がその方のために差し押さえられます。
予約の段階でファーストクラス(Fクラス)や
ビジネス(Cクラス)がいっぱいならば、
この可能性を疑うといいかもしれません。
また、当日には旅客担当も大忙し。
VIPに不都合があってはいけないので、お世話に大変です。
当のVIP本人はラウンジの個室でゆっくりしておられますけれど。
そして、キャビンクルー(CA、スチュワーデス)はもちろん、
コクピットクルー(機長や副操縦士)にも
VIPの存在は伝わっています。
飛行前にクルーとの打ち合わせの際にもVIPを意識して
出来るだけ飛行中揺れないようにとか、
提供できるサービスについて深く掘り下げて議論されます。
実際に飛行する際にも、管制機関にも
ある程度配慮を求めることが可能です。
特に日本であれば、「VIPが乗っています」と言えば、
着陸の順番を先にしてもらえたり、何かと都合はついたりします。
なお、VIPといっても天皇陛下や総理大臣はほぼ100%、
2機ある政府専用機(B747-400)を使いますので、
民間航空会社が扱うことはほぼありません。
航空自衛隊の方々が操縦や客室業務を担当します。
政府専用機が導入される前は、
まだ民営化されていなかったJALが担当したそうです。
今でも、政府専用機が海外に飛んだ際の
地上業務はほぼJALが担当だそうです。
地上職員で旅客担当の方は
VIPが自社扱いになれば面倒でしょうが、
私は接客ではないので、どちらかといえば
どこかの国に大量のVIPが押しかける、
といった事例のほうが面倒です。
というのも、たとえばつい先日のタイ国王在位60周年記念。
各国からVIPがどしどしと駆けつけます。
日本からも政府専用機で天皇皇后両陛下がお祝いに行きます。
こうなるとバンコクの空港にいく他の民間機は、
どうしてもその割を食うわけです。
着陸の順番がVIP優先、
場合によっては空域の使い方までVIP優先、
こんな状態ですから、バンコクを目の前にして、
空港の近くで長い間順番待ちをさせられるかもしれません。
飛行機が上空で順番待ちをさせられると、
当たり前ですが燃料はどんどん減っていきます。
燃料がなくなって墜落したなんて情けない真似は出来ないので、
出発前から予め多めに燃料を積んでおく必要があるわけです。
そうなると、出発前の打ち合わせのときも、
どれくらい多めに積んでいくのかや、
場合によってはバンコクでない代替の飛行場に
降りる可能性を検討しなければなりません。
我々がVIPを扱うときには、VIPをおもてなしすること、
出来るだけ乗り心地を良くすることを意識すればよいですが、
普通のフライトとして飛ぶとき、他の便にVIPが乗っていれば、
まさに「VIP来襲!」と言えるでしょう。
更新が遅れましたが、今度のネタはVIPについて。
私たち航空会社には、よくVIPもお乗りになられます。
A社もJ社も、どちらにもお乗りになります。
それでも芸能人程度ではVIP扱いにはなりません。
正月あたりに必ずハワイに行ってくれる、
お得意様ではありますが。
ここでいうVIPとは、たとえば皇族や政治家(大臣級)、
国賓としての外国のVIPなどになります。
これらの方々が乗るときには、
シートの周りに付き人や護衛の人も乗りますし、
何より一般の方の座席の隣には出来ないので、
普通10以上の座席がその方のために差し押さえられます。
予約の段階でファーストクラス(Fクラス)や
ビジネス(Cクラス)がいっぱいならば、
この可能性を疑うといいかもしれません。
また、当日には旅客担当も大忙し。
VIPに不都合があってはいけないので、お世話に大変です。
当のVIP本人はラウンジの個室でゆっくりしておられますけれど。
そして、キャビンクルー(CA、スチュワーデス)はもちろん、
コクピットクルー(機長や副操縦士)にも
VIPの存在は伝わっています。
飛行前にクルーとの打ち合わせの際にもVIPを意識して
出来るだけ飛行中揺れないようにとか、
提供できるサービスについて深く掘り下げて議論されます。
実際に飛行する際にも、管制機関にも
ある程度配慮を求めることが可能です。
特に日本であれば、「VIPが乗っています」と言えば、
着陸の順番を先にしてもらえたり、何かと都合はついたりします。
なお、VIPといっても天皇陛下や総理大臣はほぼ100%、
2機ある政府専用機(B747-400)を使いますので、
民間航空会社が扱うことはほぼありません。
航空自衛隊の方々が操縦や客室業務を担当します。
政府専用機が導入される前は、
まだ民営化されていなかったJALが担当したそうです。
今でも、政府専用機が海外に飛んだ際の
地上業務はほぼJALが担当だそうです。
地上職員で旅客担当の方は
VIPが自社扱いになれば面倒でしょうが、
私は接客ではないので、どちらかといえば
どこかの国に大量のVIPが押しかける、
といった事例のほうが面倒です。
というのも、たとえばつい先日のタイ国王在位60周年記念。
各国からVIPがどしどしと駆けつけます。
日本からも政府専用機で天皇皇后両陛下がお祝いに行きます。
こうなるとバンコクの空港にいく他の民間機は、
どうしてもその割を食うわけです。
着陸の順番がVIP優先、
場合によっては空域の使い方までVIP優先、
こんな状態ですから、バンコクを目の前にして、
空港の近くで長い間順番待ちをさせられるかもしれません。
飛行機が上空で順番待ちをさせられると、
当たり前ですが燃料はどんどん減っていきます。
燃料がなくなって墜落したなんて情けない真似は出来ないので、
出発前から予め多めに燃料を積んでおく必要があるわけです。
そうなると、出発前の打ち合わせのときも、
どれくらい多めに積んでいくのかや、
場合によってはバンコクでない代替の飛行場に
降りる可能性を検討しなければなりません。
我々がVIPを扱うときには、VIPをおもてなしすること、
出来るだけ乗り心地を良くすることを意識すればよいですが、
普通のフライトとして飛ぶとき、他の便にVIPが乗っていれば、
まさに「VIP来襲!」と言えるでしょう。