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社会

医師確保、現場の努力だけでは… 公的病院の診療縮小 

 兵庫県内の公的な病院の六割が、医師不足で診療縮小を余儀なくされていた。神戸新聞社の調査で明らかになった地域医療の窮状。中でも都市部から離れた地域は、複数の診療科で常勤医確保のめどが立っていない病院も多い。外科医が常勤医不在の内科を担当するなど、必死のやりくりが続いている。

 縮小診療科数が十六と地域別で最も多かった北播。三木市民病院(三木市)では常勤医の退職や派遣医師の引き揚げにより、二〇〇五年六月から一年間で神経内科が休診したほか、小児科、婦人科、皮膚科、眼科が入院の受け入れなどができなくなった。

 産科医と小児科医の不足も深刻で、七病院のうち出産が可能なのは三病院。三木市民や小野市民病院(小野市)は産科自体を廃止した。小児科は二病院が休診中。西脇病院(西脇市)は診療を続けているが、「常勤医一人で踏ん張ってもらっている状態」という。

 新医師臨床研修制度以前から、常勤医不足が続いている但馬は、八病院で診療科を縮小した。救急医療を守るため公立豊岡病院(豊岡市)などに常勤医を集約、医療再編を図ったが、その影響などから公立朝来梁瀬医療センター(朝来市)は、〇七年十月に内科の常勤医がいなくなった。現在は外科医がカバーしている。

 勤務医の負担を軽減しようと、乳幼児を持つ母親のグループが、必要のない夜間受診などを控えるよう呼び掛けた丹波。この活動が奏功、県立柏原病院(丹波市)の小児科は常勤医が二人から五人に増えた。その一方で、非常勤医による外来診療を続ける診療科も。

 北播のある病院の担当者は、医師不足解消を掲げる国や県の対策にも「すぐに医師を確保できるのか疑問」と冷ややか。別の病院の関係者は「自分たちだけの努力ではどうにもならない。やりがいを感じて来てくれる医師を待つしかない」と話している。(今泉欣也)

(7/13 09:27)

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