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金剛山射殺、北朝鮮「韓国が謝罪を」 調査も拒否

2008年7月12日23時44分

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 【ソウル=稲田清英】北朝鮮の金剛山で韓国人女性が北朝鮮軍兵士に射殺された事件で、北朝鮮は12日、女性の死亡を「遺憾」としつつ、「責任はすべて南(韓国)側にある」とする当局の談話を発表した。今回の事件で北朝鮮が態度を明らかにするのは初めて。朝鮮中央通信が伝えた。

 金剛山事業を担当する「名勝地総合開発指導局」報道官の談話で、女性が軍事警戒区域内に入ったことが原因として、「我々に明白に謝罪し、再発防止策をとるべきだ」と韓国側を強く非難。韓国政府が事件発生を受けて金剛山観光の中断を決めたことを、「耐え難いぼうとくだ」とし、再発防止策が講じられるまで観光客を受け入れない方針を示した。

 韓国側は12日、事件の真相を解明するため、韓国政府当局者らで構成した調査団の早期の訪朝受け入れなどを北朝鮮に打診した。しかし北朝鮮側は「許容できない」と拒否した。

 金剛山観光事業を実施する韓国側企業「現代峨山」の尹万俊社長らは同日午後、現地入り。今後、北朝鮮側から本格的に経緯などの説明を受ける予定になっている。しかし政府調査団の受け入れ拒否もあり、今後の真相解明は困難を極めそうだ。

 責任がすべて韓国側にあるとした北朝鮮の見解に、韓国では反発が強まりそうだ。すでに韓国内では、事故の経緯に関する北朝鮮側の説明に不自然な点が多いとして、不信がくすぶっている。

 北朝鮮側は現代峨山に対し、軍事警戒区域に入った女性に警告射撃を一度したが約1キロ逃げたため発砲した、などと説明している。だが韓国メディアは、説明通りなら、女性がホテルを出て銃撃されるまで約30分間に警戒区域までの距離などを含め約4.8キロも移動した計算になる点など、多くの疑問点を指摘する。

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