画面を指で押したり、なぞったりして電子機器が操作できる「タッチパネル」を搭載した製品が増えている。カーナビや携帯電話が代表例で、今年のタッチパネル出荷額は昨年の倍にふくらむと予測されている。11日発売されたアップルの携帯電話「アイフォーン」もタッチパネルの使い勝手が持ち味。ボタンを使わない操作方式が消費者に身近になる“タッチパネル元年”を迎えようとしている。
■写真でみる■ 上戸彩もiPhone欲しい! 孫社長「本当にうれしい」
アイフォーンのタッチパネルの一部は、日本の液晶メーカーが製造しているとみられる。タッチパネルは現在、画面を押す圧力を検出する「抵抗膜方式」が主流だが、アイフォーンは、指先の静電気を感じ取る「静電容量方式」と呼ばれる新型を用いた。
指の微妙な動きや複数の点を同時に感知でき、画面をスクロール(移動)させたり、2本の指を広げて画像を拡大するなどの複雑な操作が可能になった。
市場調査会社ディスプレイサーチの予測では、タッチパネルの世界出荷額は、昨年の約12億ドルから2015年に52億ドルに伸びる見通し。秋山尊謙アナリストは「アイフォーンの販売国が日本を含め一気に増えたこともあり、個人が使う電子機器にタッチパネルがさらに浸透する」と指摘する。
タッチパネル搭載機器は増えるばかりで、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を始め、独特な操作性を生かしたヒット商品も出ている。
ソニーの簡易型カーナビ「ナブユー」は、画面に円を描くと地図の縮尺が変わる仕組みだ。松下電器産業のコンパクト型デジタルカメラ「ルミックスFX500」は、ピントを合わせたい人にタッチパネル上で触れると、動き回る人物にピントを合わせ続ける。
ブルーレイ・ディスクの録画再生機のリモコンに採用したのが三菱電機。「機能が複雑になるにつれ、リモコンのボタン数は増える一方だった」(開発担当者)ことが採用の理由だ。
機能も進化しており、シャープはタッチパネルに光センサーを埋め込む技術を開発した。画面にかざした書類を読み取ることもでき、スキャナーの機能も併せ持つ「1台3役」ディスプレーも射程内にある。
電子機器の操作を簡単にするタッチパネルは「メカに弱いシニア層にも便利」(メーカー)なため、今後も幅広い家電分野で採用が広がるとみられる。ただ、「画面が指紋でよごれる」「携帯電話のメールなどは入力操作が遅い」などの弱点も指摘されており、当面はボタン式との住み分けが続くとの見方が有力だ。
【関連記事】
・
iPhone世界デビュー!人気携帯、日本初上陸
・
予約認めず行列演出?アイフォーン商戦、光と陰
・
iPhone発売開始 表参道で購入客1500人超、長蛇の列
・
「初回入荷は瞬間蒸発」…iPhone、いつ買えるの?
・
NTTドコモ、アイフォーンと価格で勝負