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諫早湾干拓事業訴訟:国が控訴 「漁民を見捨てるな」早期開門、改めて求める /佐賀

 「何人の漁民を殺せば国は、私たちの声を聞いてくれるのか」--。佐賀地裁判決を不服として農水省が福岡高裁に控訴、開門見送りを表明した10日夜、控訴断念と中・長期開門調査を求めてきた「よみがえれ!有明訴訟」弁護団の馬奈木昭雄団長と原告の漁民ら計7人が佐賀市内で会見。国の判断に激しく抗議し、改めて早期の開門を強く訴えた。【鈴木美穂】

 佐賀訴訟の原告で、農水省への抗議行動に参加してきた太良町のアサリ漁業、平方宣清さん(55)は「一日も早い開門が農業、漁業を守り、有明海の再生につながる。決定に憤りを感じる」と怒りをあらわにした。

 諫早湾を漁場にする漁民らが起こした長崎訴訟の原告団長、長崎県諫早市の松永秀則さん(56)も同席し「アセスは必要ない。開門すれば被害が出るという国の主張は一部の声をとらえたもの。開ければ何とかなるというのが多くの漁民の声だ。それを見えなくしているのは行政。長崎地裁に起こしている訴訟で、それをはっきりさせたい」と語気を強めた。

 ◇知事「開門働き掛ける」、「農水省に真意を確認」

 古川康知事は同日夜、記者団の質問に対して「近いうちに農水省のしかるべき人に来てもらい、真意を確認したい。(開門調査のためと)書いた以上はちゃんとやってもらわねば」と語気を強めた。

 また、原告がアセスについて「リップサービス」と断じていることには「その反応ももっともだ」と理解を示しながらも、「開門に否定的でないのも初めて」と述べた。今後については「具体的なアセスの方策などを国に提案し、開門に向けて働き掛けたい」とあくまでも開門を求める考えを示した。

 超党派の県議団の一員として若林正俊農相に開門を直接訴えた篠塚周城県議は「100点満点ではない。しかし赤点でもなく、道が開けたとは言える。県や県民と協力し、開門に向けて取り組んでいく」と語った。【上田泰嗣】

毎日新聞 2008年7月11日 地方版

 
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