「患者一人ひとりに合った医療」実現へ
東京医科歯科大情報医科学センターの田中博教授を中心とするグループが、国立がんセンター研究所、産業技術総合研究所、理化学研究所、日立ソフトと共同開発した「分子臨床医学データベース」を公開している。同データベースでは、400以上のがん患者の症例などを集めており、「患者一人ひとりに合った医療」(オミックス医療)の実現を目指す。
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自然の生物で、がん治療の「革命」へ オミックス医療とは、疾患に罹患した細胞では、どんな遺伝子が発現しているか、また、どのようなタンパク質が働いているかなどの情報を駆使し、患者一人ひとりについてのがんなどの早期診断や手術後の再発の予測などを実現する医療を指す。
同データベースでは、同大の解析によるがん疾患の症例情報に加え、がんセンター研究所などが公開しているアルツハイマー病やがん、糖尿病、高血圧、喘息などのデータを併せ、合計400症例以上の情報を集積。同大が解析した症例については、生活習慣、病歴、臨床検査、画像診断、病理診断など詳細な臨床情報を蓄積している。
また、産業技術総合研究所や理研のデータベースとの連携によって、常に最新の情報が得られるほか、医師や研究者は、ユーザー登録するだけで、医療のための知的研究基盤として利用できる仕組みになっている。
今後は、同センターが中心となり、分子臨床医学データベースの利用を広げるために、内容をさらに充実させる。
更新:2008/07/11 16:09 キャリアブレイン
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