石油元売り各社が、系列ガソリンスタンド(GS)の価格掲示板の改修を急いでいる。電光掲示方式では、百の位が「1」しか表示できないタイプが多く、このまま原油高騰が続きガソリン価格が200円台に乗ると表示できなくなるためだ。「改修費は1社当たり数億円規模」(大手元売り)といい、想定外の出費になっている。
コスモ石油は、系列スタンドのうち約450基の電光掲示板の改修工事に着手する。百の位の発光ダイオード(LED)を交換して「999円」まで表示できるようにする。ポリタンク(18リットル)1個単位の灯油価格の表示も現在は千の位が「1」しか表示できないため、LEDを交換して「9999円」まで表示できるようにする。最近開業したGSでは、すでに新型掲示板を設置したところもあるという。
石油情報センターが発表した7日現在のガソリン小売価格調査結果では、レギュラーの全国平均価格は1リットル=181.5円、ハイオクは192.4円。原油先物相場は11日も史上最高値を更新するなど原油高が収まる気配はなく、ガソリン価格は「いつ200円台になってもおかしくない」(昭和シェル石油広報部)状態だ。
他の石油元売り各社もコスモ石油と同様の対応を検討中。昭和シェル石油では「今月以降に新規開業するスタンドには999円まで対応できるタイプを設置していく」と話している。【太田圭介】
毎日新聞 2008年7月12日 15時00分(最終更新 7月12日 15時00分)