思春期の積極奇異型ASのサポートの現場よりの考察。
ある思春期ASのケースF氏は、学童期までにASの告知と理解を終え、特別支援体制をきちんと利用し、本人のペースで登校や参加する授業等も決められる体制で過ごした。
思春期にかかり、F氏は急速に中心志向が出てきて、「普通がいい」という意向から主治医が提案する特別支援の体制さえ当初は利用しないで「自分でやってみる」ということだった。
主治医である私はその方針を尊重し、本人が出来るところまで「普通」の線にトライすることを学校側に説明、本人の試行錯誤のプロセスの間は積極的に介入しないようにお願いした。
全く「普通」の線で努力する間は、F氏は学校では完璧に過ごしたが、過度の緊張から帰宅すると毎日のように情緒不安定になり、不眠、頭痛などの身体症状が激しくなり、一学期も後半となるとついに疲れ果てて休み始め、やむなく一部方針を変更した。
そのF氏が語った言葉が、「普通の範囲内で認めてほしい」という言葉で、私は感心した。
本人の「普通」の範囲が、「100パーセント完璧でないと行けない」ところから、少し融通が利くようになったということだ。
ここで「気の利いた」理解あるベテランの先生が関与できれば、上記の事情をよく理解して、「本人に実際上はかなり特別に対応しながら表面上は特別でなくごく普通に」と接することが出来るはずだ。
もしもそうできれば本人の試行錯誤のプロセスを微妙にサポートして、その後の本人の人生の基本形を見出す非常に良いチャンスを提供することが可能となる。
実際のF氏の経過は実は正反対の状況になりつつあるのだが。
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コメント
コメント一覧
おそらく、診断に迷う程度の「軽症」という事なのでしょう。「問題が起きたら、来て下さい」って感じです。
でも、告知が無いので、息子に「理解」させることも出来ません。息子自身も医者に通う事を放棄してます。(よく知らない他人と話をするのが苦痛)
学校では、過剰適応していますが、家庭内で問題が起こっても(小さくても)、予約して、数週間後に医者へ行ってもなんにもなりません。夫もSA的なので「現在抱えている問題」は、私一人の肩に掛かってきます。
本を読んだり、ネットで勉強しても、十人十色と言われる中で、試行錯誤の連続です。不登校を再発するのでは?引きこもりになるのでは?人間不信になるのでは?・・・。
いろいろ思うと、強く叱る事も出来ずに「駄々をこねている姿」を静観するしかありません。
でも、「家庭教育」の範囲内で、言うべき時は言わねばなりません。それは分かっています。しかし、それが世間的に・医療的に正しいのか?と考えた時、決断する基準が分からなくなってきました。
健常者なら通じる事が、ASには通じない。
「告知後の、理解」がなければ、私のやっている事は無意味なんじゃないかと・・。親子間、夫婦間がこじれるだけなんじゃないかと・・。
医者を拒む息子に、私が告知したところで、私を非難してくるだけで、悪循環です。言葉では、高校生の息子に太刀打ちできません。(ずっと以前からですが・・)
これから先も、たくさんの事例を掲載していただけたら助かります。よろしくお願いいたします。
私は、いわゆる学童期ではありませんが、この感じ死ぬほどよく分かります・・・依存していたボーダーの母が出て行って、AS(?定型かも?)の彼との半同棲生活をし、いわゆる「普通の」生活を始めた当初、夕方から夜にかけて、情緒不安定になり、見境なく友人や相談機関にTelしてしまうので、携帯代が莫大にかかっていました。
あと、やっぱり緊張するんですよね・・・家事にしても、自己流でやっていた頃は何も起きませんでしたが、現在ヘルパーさんにコーチングしてもらいながらだと、カレー作るだけで肩こりから来る緊張性の頭痛がします。不眠もあります。
「普通」ってなんでしょうね・・・
いわゆるSSTの必要性があると、彼には言われましたが、父やヘルパーさんは黙認してくれているのでそれだけでも助かっています。
私は学童期ではありませんが、このF氏の気持ち痛いほどよく分かります・・・依存していたボーダーの母が出て行って、援助職の彼と恋愛に突入して、「人並みにやろう。普通にやろう」と思うたびに、ものすごく不安定になって、夕方から夜にかけて見境なく友人や相談機関にTelするから、携帯代がかかる。
家事にしても、自己流でそれなりにやっていたのが、多数派のヘルパーさんにコーチングされながらだと、カレーひとつ作るのにも頭痛がする。(不眠もあります)
ミーティングで、「表情豊かに喋ろう、感情を表に出そう」と思うと、それだけで頭が締め付けられる。
結局100%やるのをあきらめて、ミーティングはさぼりつつ、家で家事見習いをしています。
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