複数の医師に残業代を支払わなかったとして、県立中央病院(甲府市富士見1、山下晴夫院長)が、甲府労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが分かった。不払いは06~07年分で、1億2000万円を超えるとみられる。病院は調査を行い、残業代を支払う方針だが、07年度の県包括外部監査でも適正な残業代を支給するよう指摘されていた。
病院によると、労基署は4月25日に立ち入り調査を実施。複数の医師が、労使協定で定める時間外労働(1日4時間)を上回って残業していたが、協定を上回る分の残業代が支払われていないことが判明した。
病院は、▽勤務実態の把握が困難▽症例研究などの業務と残業の区別がつきにくい--として、医師が申請する勤務時間を病院側が査定したうえで、残業代を支払っていた。
一方、包括外部監査は、06年度に医師の申請した勤務時間(4万5340時間)と県の査定時間(3万2873時間)で1万2467時間の差があると指摘。不払いの残業代を6200万円と推定していた。【中村有花】
毎日新聞 2008年7月12日 地方版