で、この団体がいわゆる「教会」かというとそうではないようです。前述のチラシによると(赤字は引用部分。以下同じ)、
本会は、聖書の配布を唯一の目的としておりますので、宗教団体や聖書研究会への勧誘、信者の募集、献金の要求、本・雑誌・物品の販売等は、一切行っておりません。ということです。
この小冊子は、宗教団体に加入させることではなく、また連絡させることでもなく、心の乏しい現代社会において、神に対する信仰を養うことを目的とする。とあります。
1999年3月16日の補記
北海道のブルース・ボーイさんが、「キリスト看板」の取り付けの様子についてメールで教えてくださいました。
知り合いの方のもとに「聖書配布協力会」とおぼしき人達が現れ、所有している建物にこの看板を貼らせてほしいとお願いしたそうです。以下はメールからの引用です。
1,作業に来た人は3人で、皆さん初老の男の人だった。初老の男性3人というのはちょっと意外でした。私の今までの目撃経験では、街宣車を運転する白人男性と、小冊子を配る女性という印象が強かったからです。
2,予想通り、広告料?金銭ははもらってないが、飴玉等のお菓子類を置いていった。
3,彼らはワゴン車で来て、その中には予想通り「脚立」も積んであった。
4,また、驚くことに取り付け作業では「インパクトドライバー」を使用していた。
5,作業時間は、ホンの数分だった。
6,勧誘や説教、脅し等の類は一切無かった。とのことです。
しかし、脚立はある程度予想はついていましたが、インパクトドライバ(自動釘打ち機)まで使用していたとは…。正に「恐るべし」ってヤツですな。
1999年11月21日の補記
RiOさんの「基督看板」に、「聖書配布協力会」に関する詳しい雑誌記事が掲載されています。
「OUTRIDER」誌の96年8月号から9月号に渡って連載された、野岸泰之氏による「道端考察」というコラムがそれで、うれしいことにそのページのスキャナ取り込み画像を公開しておられます。
・「団体の本拠地は木造平屋建ての(キリスト教系)小学校」
・「小冊子には便宜上「聖書配布協力会」とあるが、本来は団体名すらないらしい」
・代表者はアメリカ人の元占領軍兵士で、「日本の子供たちの悲惨な姿を見て、聖書の教えをこの国に伝えることを決意した」
・キリスト看板を「これまでに30万枚を配布した」
・仲間達とソフトウェア会社をつくり、その収益金から会の活動費用を出している
・非常に真面目に活動しており、「オウム事件全盛の頃、他県で伝道していたグループの身元照会に、ここ(管理者註:丸森町)の警察が太鼓判を押した」
などなど、興味深い情報が満載されています。ぜひ一度は読んでみてください。
2002年2月3日の補記
その1
あるプロテスタント系教会の牧師の方からメールをいただきました。以下に引用します。
この団体(管理者註:聖書配布協力会)で、教会がたいへん迷惑を被ったことがあるのです。私が前任地の教会にいるとき、ある時この団体の宣伝カーが、それこそ「信じないと地獄に堕ちる」というような、それこそ新興宗教のような脅かし文句でその地域を巡回しました。このような宣伝の仕方自体が、およそキリスト教的ではありません。街宣車の件はともかく、少なくとも私の周囲ではうそをついて看板を貼ったなどという話はありません。またネット上でも今のところそんな話は聞いていないので非常に驚かされます。
またその直後から、教会に数件の苦情が寄せられました。それは、例えば、「ポスターを貼らせてほしいと言ったので、良いと言ったら、後で見たらブリキの板が壁に穴をあけて取り付けられていた。約束が違うから取り外してくれ」というようなものでした。また、「貼る前に示した大きさよりもずいぶん大きい。ウソをついた」というのもありました。
私たちは、「それはうちの教会とは関係ない団体のものです」と答えたものです。
このように、かれらは、看板の大きさを貼る前は小さく言っておいて了解を取り、実際はその倍の大きさの物を貼るとか、「ブリキの看板」とは言わずに、「ポスター」だと言って相手に、すぐにはがせる紙のポスターというような印象を与えて貼る、といったような、およそキリスト教徒がしてはならない偽りを言って貼って回っているということが明らかとなりました。
以上のように、人を脅かして信じさせようとするとか、ウソをつくとかいうことは、キリスト教とは無縁のものです。そのような理由により、私は、これが正統なキリスト教の団体とは思えないのです。
まじめな人がまじめなゆえに、利用される場合もあるのではないかと思います。と別のメールで述べておられます。
その2
「聖書配布協力会」の活動資金を出していると思われるソフトウェア会社「文化オリエント株式会社」(本社:宮城県仙台市)が、2002年1月1日付けで「グレープシティ株式会社」に社名変更しました。
この会社はVisual BasicやJava用の開発支援ツールやユーティリティ、私学学校用の会計ソフトで約70%のシェアを誇る「レーザー私学システム・シリーズ」などを開発しています。
また、2002年1月8日付け「ASCII24」に、現社長のダニエル・ファンガー氏のインタビューが掲載されました。「聖書配布協力会」への言及はありませんでしたが、文化オリエントの創業秘話などなかなか興味深いことが書かれています。
それにしても、ファンガー氏が岩手県岩手町生まれの日本育ち(当然日本語は堪能)というのは、同じ岩手県人として個人的に親しみを覚えます。
2004年3月16日の補記
「キリスト看板」でGoogle検索を掛けていると、興味深いページが見つかりました。
MONZOUさんという方が運営する「キリスト看板陳列館」がそれで、北海道を中心に撮影したキリスト看板を紹介しています。
で、私が注目したのがこのページの最下部に掲示された「ステッカーバージョンのキリスト看板を貼り付けた街宣車」でした。確かにこの車に貼られているのは、当サイトでも紹介している「キリストシール」と同じ体裁のものです。
そして、大阪市内で撮影されたというこの車には、屋根にこう書かれたパネルがついています。
大阪イエス中心教会
「中心教会」という、聞き慣れない名称のこの教会は一体何か?興味をそそられた私はさっそく検索してみることにしました。すると、「イエス中心教会」の公式サイトが存在していたのです。
公式サイトによると、この教会は韓国のソウルに本部があり、日本にも東京、大阪、名古屋、千葉、長野、兵庫、和歌山などに22の教会が存在します。また、「いつ何処ででも礼拝を捧げられるように」と衛星放送を使用した衛星礼拝やインターネット礼拝も実施しているなど、情報化社会に対応した活動を行っています。
さらに、「イエス中心教会」でヒットした別サイトでは、大阪府西成区の「大阪イエス中心教会」にはホームレス自立支援センター「むくげの会」が併設されており、ホームレスの人々への食事・散髪・入浴の提供、福祉や仕事の相談をしながら布教活動をしていると書かれています。(なお、ムクゲは韓国の国花です)
ホームレス支援は大阪だけのことではなく、東京の「日本イエス中心教会」が2002年7月に新宿中央公園でカレーライスとパンの炊き出しを行ったとの記録があります。
新宿の食料支援状況(2002/7月現在)(「ホームレスの社会復帰を応援しませんか」内)
さて、実は私はこの「イエス中心教会」の宣教師とおぼしき方からメールをいただいたことがあります。
そのメールは、私のサイトに対する誤解に基づいた批判でした。そのため、今までこのメールの件は公開せずにいました。
しかし、この「イエス中心教会」と「聖書配布協力会」との関係について興味深い視点を提供してくれるものであると思い、今回公開することにしました。
なお、メールアドレスの一部と氏名は伏せ字にします。
まず、その宣教師氏(仮にA氏としておきます)からの初メールは以下の通りです。
Date: Sun, 6 Jul 2003 15:35:14 +0900 (JST)
From: * ** <****jcc**@*****.co.jp>
Subject: 龍に対して
To: dragon@feel.to
ハレルヤ!
私は聖書配布協力会のメンバではないですが、よく関心を持っています。私が前、ホームページを見て感じた事を申し上げたいなあ、、と思いまして、勝手ながら言わしていただきます。
聖書ヨハネの黙示録の12章9節には龍はサタンであること言ってます。また、申命記4章17節からは主が像を造って仕えないように命令してます。中国なんかは龍の国で、サタンの崇拝として、龍に拝んでます。サタンの形で、龍ー古い蛇ーサタン同じ意味です。
神様の嫌われる龍のような、悪の形でもクリスチャンは使わないではないでしょうか。
テサロニケT5章22節には”あらゆる #63929;いものから 遠ざかりなさい”と書いてあります。
ですから、イェスを信じる人は、サタン的な事や、形、行動すべてを捨てて、もうちょっと霊的な生活をするのが、主に喜ばれるでしょう。
正直言いますが、最初このホームページを見て、びっくりしました。聖書を配布する伝道団体リンクが龍の絵ばかりで、イェスを伝えてると言いながら、サタンのイメージだらけ!
どうぞ、主に喜ばれるイメージを使った方がどうですかね。。。では、お元気に。。
(注:メールの一部が文字化けしています)
私はこのメールを読んで、A氏が「キリスト看板展示室」や「青龍郵件」について勘違いをしていると判断しました。
そこで、次のようなお返事を差しあげました。
Date: Sun, 06 Jul 2003 16:12:12 +0900From: Jimuya <dragon@feel.to>
To: * ** <****jcc**@*****.co.jp>
Subject: Re: 龍に対して
* **さま
「キリスト看板展示室」管理者の事務屋青龍です。
私のサイトにどのような印象を持たれるかは自由ですが、どうやら
大変な誤解をなさっておられるようですのでひとこと申し上げておきます。
まず、私はキリスト教徒ではありません。むしろキリスト教に対しては
否定的な立場にあります。
また、「キリスト看板展示室」は布教を目的としたものではありません。
その旨はトップに明記しているとおりです。↓
http://www.bluedragon.pos.to/kanban/
>聖書ヨハネの黙示録の12章9節には龍はサタンであること言ってます。
(中略)
>正直言いますが、最初このホームページを見て、びっくりしました。聖書を
>配布する伝道団体リンクが龍の絵ばかりで、イェスを伝えてると言いながら、
>サタンのイメージだらけ!
そのリンクとは↓のことでしょうか。
http://www.bluedragon.pos.to/
私はもう7年以上も前から「事務屋青龍」をハンドルに使っています。そして、
青い竜のイメージは、そのハンドルに合うものとして使用しているのです。
「竜はサタンである」とは聖書が言っていることです。聖書もイエスも主も
信じていない私には、竜の画像をサイトで使用することに何のためらいも
罪悪感もありません。
そもそも、私のサイトのどこで「イェスを伝えてる」というのでしょうか。
「キリスト看板展示室」はおもしろいキリスト看板や印刷物を紹介することが
目的であって、すでに申し上げたとおり布教のためのものではありません。
>イェスを信じる人は、サタン的な事や、形、行動すべてを捨てて、もう
>ちょっと霊的な生活をするのが、主に喜ばれるでしょう。
>どうぞ、主に喜ばれるイメージを使った方がどうですかね。
繰り返しますが、私はイェスや主、聖書を信じていませんし、聖書に
書いてあるからといってその物事を「サタン」と軽々しく決めつける
こともしません。
私は自分が飽きるかなにかするまで竜のイメージ、そして「事務屋青龍」
のハンドルを使い続けるつもりです。
そして、「主に喜ばれ」ないからという理由でやめることは決してないで
しょう。
メールをありがとうございました。
この反論に対する返事はないかも知れないと思っていましたが、A氏は再びメールを送ってこられました。
Date: Tue, 22 Jul 2003 18:28:18 +0900 (JST)
From: * ** <****jcc**@*****.co.jp>
Subject: Re: 龍に対してまず、誤りいたします。
私はあなたがクリスチャンだと思いました。
それで、聖書の話を伝えてたかったんです。決してあなたを攻撃するか、意地悪する気は全然なかったです。
もう一回、誤りいたします。お許しください。
では、私は、勝手ながら、あなたが救い主イェス様を信じて、必ず、救われますように今日祈りいたします。
イェスも信じない人が御言葉を自分のホームページに乗せるという事はきっと、あなたは選ばれてます。
今はご本人が気づいてないんですが、後は分かるようになるでしょう。
これからは、メールなど送ったりしません。
有り難うございました。
A氏自身が「もうメールは送らない」と言っていることもあり、その後私も返事は書いていません。
さて、その後メールに書かれていたA氏の名前を検索してみたところ、「イエス中心教会」サイトの日本支教会一覧に掲載された「担任教役者」(牧師か?)の一人の名前と完全に一致しました。
さらに、A氏のメールアドレスの"jcc"は、「イエス中心教会」の英語表記"Jesus Centerd Church"と一致しており、アドレスに記された日本の地名は、A氏と同名の「担任教役者」が所属する教会の所在地と同じです。
よって、このA氏が日本で宣教活動を行っている「イエス中心教会」の宣教師であることはほぼ確実といえます。
この一連のメールからわかることは、A氏が「キリスト看板」に対して少なくとも悪感情は抱いていない…ということです。当「キリスト看板展示室」についても「イエス(聖書)の御言葉を載せている」場所であると認識しているようです。
そして、「イエス中心教会」が「キリストシール」付きの街宣車を使用していることから考えても、この教会と「聖書配布協力会」とは何らかの形で関わりがある…と考えるのが自然ではないでしょうか。