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“面倒くさい”がキーワード。結婚したくない症候群の男たち

“面倒くさい”がキーワード。結婚したくない症候群の男たち

少子化が叫ばれて久しいが、相変わらず結婚しない女、子どもをつくらない女が増え、男も晩婚化が進んでいる現代。結婚をしてもいい年齢なのに、また愛する恋人がいるにもかかわらず、結婚に踏み切れない男たちがいる。貧困、低収入、不安……表向きの理由はいろいろ掲げているが、実体は「面倒くさい」がその理由のようだ。果たして「面倒くさい」で、一生を決めてよいものなのか……?

会社員の川上和弘さん(仮名・27歳)が、恋人の美奈子さんと知り合ったのは高校3年生の時だった。あれから9年。お互い社会人になっても交際は続いている。が、ここ数年は知り合った当時の情熱もなく、なんとなくダラダラと付き合ってきたような気がする。「だいぶ前から、すでに面倒くさいって思い始めてましたね。彼女が結婚を口にし出したのは、ここ2〜3年です。かなりしつこくなってきています。でも正直いって、彼女との結婚にまったく興味がないんです。そんな本音を言ったら殺されそうだけど」。

最近では美奈子さんと会ってもときめかないという川上さん。だからといって、他に好きな女性がいるわけではない。「正直いって結婚そのものが、面倒なんですよ。実家にいるから、とりあえず身の回りのことは困らないし、人はなんでわざわざ結婚するのかな、と思う。お互い不自由になるだけじゃないですか。親戚付き合いも増え、社会的な責任も重くなり、子供でもできたら……と思うと、ぞっとします」。子育てなんて信じられない、考えたこともないという川上さん。確かに子供をつくらないのであれば、結婚の意味も薄れる。

神谷大輔さん(仮名・32歳)は今、恋人の真貴子さん(31歳)から結婚を迫られている。仕事を通して知り合い、付き合いが始まってから5年が過ぎた。学生時代の友人や職場の同僚が次々と結婚するのを見たり聞いたりすると、うんざりしてくる。友人の結婚式に出るときは、顔でニコニコ笑って「おめでとう!うらやましいよ」と言いながら、お腹の中では「こいつも、もう終わりだな」と思う。結婚することが未来の可能性を潰すわけではないが、なんとなく人生の選択肢が限られ、束縛されるようなイメージがある。

「たぶん、ボクはわがままなんだと思います。一人っ子で育ったせいか、人との同居が窮屈なんです。今は彼女と距離を持って接しているから、いい感じでいられるけど、同居したらどうなんでしょうか。彼女の性格の嫌なところが目につくと思うし、ボクも今みたいにポーカーフェイスではいられないかもしれない」。神谷さんは、“結婚”という言葉が、彼女の口から出始めたころから、付き合いが面倒になってきたと言う。

「週に何度か会って食事してセックスして、それで終わり。結婚してもこうした日々が続くのかと思うと “あー、面倒くさい”って思うんです。彼女がいろんなことを言ってても、実は聞いてるふりをしてるだけで僕の頭には全然入ってこないんです。うんうんって相づちは打ってるけど、正直、スクリーンセーバー状態。それをまったく気付かない彼女の鈍感さにも腹が経ちます」。だが、あえて彼女と別れようとも思っていない。「面倒なんですよ、何かアクションを起こすということが。喧嘩もしたくないし修羅場もごめん。スクリーンセーバーで彼女が満足するなら、ま、それにしとこう……と」。面倒のひと言で片付けられてしまうふたりの問題。彼女がこの言葉を聞いたら、どう思うのだろうか。

理容師の船越悦男さんは30歳。つい最近同業者の紹介で美容師の宏美さん(27歳)を紹介された。船越さんは宏美さんにひと目惚れ。宏美さんも船越さんを気に入ったようで、具体的な結婚の話が持ち上がっている。船越さんとしてはもう30歳だし、そろそろ結婚してもよいとは考えているのだが、一点気になることがあるという。

「自分で言うのもへんな話なんですが、僕はすごく神経質で部屋の中にゴミひとつ落ちていても気になるんです。仕事で着ている白衣も、しわ1本ないくらい丁寧にアイロンをかけないと気が済まないんです。理容師という職業には、自分の神経質な点は悪くないと思うんですが、結婚となるともうどうなるか不安でいっぱいなんです。僕は独り暮らしが長かったので他人とうまく暮らせるか。食事も好き嫌いがけっこう多いし、他人のイビキなんか聞きたくもないですから。それを考えると、今のほうが気楽だけど、結婚したい気持ちもあるし……」と、なかなか決断を下せないでいる。

結婚を控えた女性が、徐々に結婚に対して嫌悪感を抱き、結婚そのものを解消してしまう、いわゆるマリッジブルー。これに対して男性のマリッジブルーには、結婚や将来に対する漠然とした不安感が多いようだ。それに最近は、「面倒くさい」という、新たな要素が加わった。現代では昔ほど、周囲が結婚、結婚といわなくなった。それに甘えて、ぐずぐずと引き延ばされるケースが多い。

「要は、生活が満たされているからでしょうね。妻がいなくても、最近の男性は、生活のことを何でも知っているし、身の回りのことをきちんとできる。へたすると料理の腕なんか女性よりいい男性も増えました。つまり、女性の必要性、女性の出番が少なくなったんですね。だったら、わざわざリスクや不安材料を抱えたまま、結婚するまでもない。そう考えるのは自然です」と、語るのは、結婚相談所を経営する小島太一さん。

「実は最近、結婚相談所に登録をする若い男性が激減しているんです。登録者はみな中高年ばかり。かつては一定の割合で、若い男性も登録していたのですが……」。この現象は、必ずしも少子化だけのせいではないと、小島さんはいう。若い男性、特に今結婚適齢期にある男性たちの、結婚に対する価値観が変化して来たのではないかと語る。

「最近は“結婚が面倒くさい”だけでなく、“結婚する理由がみつからない”に、さらに変化してきています。一時期、結婚しないかもしれない症候群の女性が激増した時代がありましたが、最近は男性も負けてはいません。料理をしない女性、仕事に生き甲斐を見いだす女性、片付けられない女性の増加と共に、男性の結婚願望が薄れてきているんです」。

「考え過ぎかも知れませんが、最近の若い男性は、セックスに対しても淡白なような気がするんですよね。それも結婚願望が薄れた原因のひとつかもしれません」と、小島さん。少し前、30代、40代の男に童貞が増えている、という話が都市伝説的に流れたが、どうやらただの噂話ではなさそうだ。時代の変化といえばそれまでだが、異常気象、地球的自然現象の変化に伴い、人間の意識や生存本能にも危機的変革が起きているのかもしれない。(取材/XIXOX中林晃子)


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