米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が11日、世界一斉発売された。日本で一番早く午前7時に発売されるソフトバンクの旗艦販売店「ソフトバンク表参道」(東京都渋谷区)では3日前から購入希望者が列を作った。その列からアイフォーン発売を報告する。【内田剛樹】
11日午前0時半ごろ、原宿駅に向かう横断歩道を渡る人は減ってきたのに、目の前を通る人はあまり減らない。「まさか」と思い係員にきいたら、まだ列に加わり続けているという。信号待ちしていたタクシーから、運転手と乗客が不思議そうに列を眺めていた。
11日午前1時半ごろ、いつのまにか原宿駅の明かりも消えて、表参道は人もまばら。表参道店はブルーシートに覆われ、発売セレモニーに向けて工事をしている。先頭からソフトバンクモバイルの社員が来て、希望の購入機種や加入プランを記入する用紙を配り始める。「購入確実か?」と思いきや、「契約手続きを円滑にするためのもの」と否定される。
午前3時10分ごろ、目の前で信号待ちをしていた車内から男性が「アイフォーンですか?」とたずねる。列の中から誰かが「そうでーす」と答える。
午前3時25分ごろ、気付くと近くに「本日の受付は終了しました」と書かれた看板があった。一体何人くらい並んでいるのだろう。
午前4時ごろ、空がうっすら明るくなる。原宿駅の明かりが付いた。
午前5時15分ごろ、係員がやってきて、列を移動させるので準備をするように言われる。寝ていた人も起きだして、活気が出てくる。
午前5時30分ごろ、それまであった列と列の間のスペースを詰める形で、列が動き出す。
午前5時50分ごろ、ソフトバンクモバイルの社員が来て、希望の購入機種や加入プランを記入する用紙の記入確認や、料金プランの説明などを一人ずつ始める。もう購入は確実と思い、周りの表情も明るい。
午前7時、お店の方から「イチ、ゼロー」とカウントダウンの声が聞こえると、周りからはいっせいに拍手が起きた。上空にはヘリコプター3~4機が飛んでいた。
午前7時21分、契約が始まったのか、列が動き出す。前に進む際に、係りの人が「忘れ物をしないように」と注意する。もうすぐ終わりだと思うと、少し寂しい気持ちも。
午前8時5分ごろ、ソフトバンクモバイルから差し入れのお茶が配られる。雰囲気は和やか。
午前8時40分、ついに店の中へ。その前に後ろに並んでいた人と別れのあいさつ。列の前後の人には、列を離れていた間の動きを教えてもらったり、移動するときには荷物を持つのを手伝ってもらったり、何度も助けてもらった。こういう人の人とのふれあいが、この行列にはあったと思う。店に入って数分待たされた後、地下のカウンターで契約手続きが始まる。
午前9時10分、契約内容の確認や料金の説明などを受け、30分程度で契約終了。早速タッチパネルをいじって電話をかけてみる。数字のキーパッドが出てきて感動。最初の相手は会社のデスクだったけど、「今までの携帯電話とは全然違う」これだけは言える。
2008年7月11日