ソウル――韓国の聯合ニュースは11日、韓国の観光会社、現代峨山が北朝鮮と共同の観光開発事業を実施している金剛山地域内の海水浴場で同日、韓国人の女性観光客が軍の規制地区に立ち入り、北朝鮮の兵士に銃で撃たれ死亡したと報じた。
女性は53歳で、遺体は韓国側に移送された。同事業は1998年から始まっているが、韓国人観光客が銃撃で死亡したのは初めて。韓国の統一省も事件を確認し、金剛山観光を当面、中断すると発表した
韓国のメディアによると、女性は早朝の散歩をしている際、フェンスを越えて規制地区に入り、撃たれたという。ただ、間違って入り込んだとの情報もある。北朝鮮側は現代峨山に対し、女性に停止を命じたが、逃げたため発砲したと説明したという。
金剛山地域の観光開発事業区内には、ホテル、商店、ゴルフ場や温泉などがあり、北朝鮮人職員が働いている。
韓国と北朝鮮の関係は李明博・韓国大統領が今年2月に就任後、対北朝鮮融和政策の見直しを表明したことを受け、冷却化。しかし、同大統領は11日、これまでの姿勢を修正し、南北共同宣言と南北首脳宣言の履行を尊重すると表明、滞っていた南北対話の全面再開を提案した。