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物価高には「おうちでごはん」? 佃煮・カレー販売好調

2008年7月11日19時26分

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写真ふりかけとお米が並ぶ「コメまわり」食品の売り場=東京都江戸川区のダイエー船堀店図

 カレーやお茶漬けなどの「コメまわり」商品の販売が好調だ。身近な商品の値上げが続くなか、家庭でご飯中心の食事をとるようになってきたのでは、との見方もある。コメそのものの消費も増えている。

 エスビー食品のレトルトカレーの売り上げは、4、5月に前年同月比2ケタ増になった。担当者は「今までにない伸び」と話す。ここ10年ほどは減少傾向だったという。

 同社ではルウカレーの売り上げも4、5月は前年比9%増。15億円の年間売り上げ目標の7割以上を2〜5月で達成したという。ハウス食品もカレー関連が好調だ。

 両社の担当者は「お客様は料理1皿あたりいくらかかるかを計算するようになった」と口をそろえる。エスビーの調べでは野菜カレーを作った場合、コメ、ルウ、ナスやブロッコリーなどを入れた場合で1皿あたり約180円。一家4人で千円かからない。カレーショップで野菜カレーを食べると600円程度だ。

 永谷園では主力のお茶漬け商品の売り上げが、今年2〜4月に前年同期より3割増えた。2月に出した新商品「朝のお茶づけ」に加え、既存商品も好調という。桃屋ののりの佃煮(つくだに)「ごはんですよ!」は、3月以降の売り上げが前年より2割増えた。

 スーパーによると、コメそのものも売れ行き好調だ。

 東京都江戸川区のダイエー船堀店では、入り口付近の特設コーナーの台に、米袋が積んである。「今月初旬の特売では、170袋投入したお米が夕方には完売。10キロ米が6月下旬から売れている」と担当者。レジ近くにも別のコーナーを設け、ふりかけと共に米袋を置いている。買い物に来ていた近くの50代の主婦は「食費が上がっている。おかずが少なくて済む炊き込みご飯を作ることが多い」と話した。

 ダイエー全体の先月の米の売り上げは前年同月より2割増。レトルトカレー、ふりかけも2割増えた。「5月から伸びが著しい」という。

 NTTデータの子会社の調査(首都圏360世帯対象)では、朝食の食卓にご飯が出る比率は、06年中頃から上昇傾向を続ける。一方、パンが出る比率は昨年初めごろから減り始め、パンの値上げのあった昨年後半からは落ち込みが激しくなっている。農水省の月例調査でも、下落傾向にあったコメの1人当たり1カ月消費量が今年3月、前年同月比0.6%増えた。

 中国産冷凍ギョーザの中毒事件や相次ぐ食料品の値上げで、外食を控えて自宅で食事を作る「内食」傾向も追い風だ。社団法人日本フードサービス協会の4月の市場調査では、外食全体の利用客数が前年比1.2%減で、3年ぶりの大きな落ち込みになった。(五十嵐大介)

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