池田清彦
テーマ:Dea-rimas original前回のテレビ番組「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」で
珍しく環境問題の話をやっておりましたものですから、
ついつい見入ってしまいましたのであります。
特に池田清彦さんが出ていたのには少し感動いたしました。
彼の著作を過去に読んだ事があるのでありますが、
いやはや無茶苦茶というか面白いおじ様だなあという感想でありまして、
いざ実際にテレビで見てみますとやっぱり無茶苦茶だったので、
私としては大変嬉しく思いました。
さて、その番組内における池田さんの主張が、
一見すると無茶苦茶過ぎて会場からブーイングが出ておりましたので、
ちょっとそれについてうだうだ書いてみたいと思います。
ブーイング(まで行かなかったかもしれませんが)が出た主張は、
「(環境を重視する生活は)家に閉じこもって酒飲んでグダグダする」
という、まあ見事なまでに典型的なグータラ発言であります。
しかし、実はこれは強ち間違いではないのでありますし、
本人もそれを知ってて言っているのでありましょう。
そもそも「人は何かすれば環境を少し壊す」と言っても、
まあちょっと乱暴ではありますが差し支えはありません。
仕事をすれば移動に自動車や電車を使う方はそれでエネルギーを食う。
会社に行ったら行ったで蛍光灯やコピー機などで電気を使う。
紙も使えば筆記具だって自然から引っ張り出してきたものであります。
遊びに行けば行ったでやっぱり移動のための燃料を使い、
遊び道具ひとつ取ったって原料から作るための機械を動かす燃料まで、
いろんなものを自然から拝借して使っている。
更にそれに付随して二酸化炭素などの環境問題に繋がるものまで、
ガンガン出しているのであります。
一方、働きもせずに家で酒でも飲んでダラダラしていれば、
移動のための燃料を使わず、仕事や遊びに必要なものもいらない。
強いて言うなら酒くらいのものであります。
また、動かないから自然を新たに潰す事はない。
陽が出たら起き、陽が沈んだら寝る生活をして電灯を使わなければ、
エネルギーやその他の物質の節約や二酸化炭素抑制という面を始め、
どれだけ環境に優しいか(この表現、嘘くさくて嫌いですが)という点では、
最も優れているという結論に達するのであります。
ですが、私たちは人間でありまして、
ほとんどの人間がこれを実践したらまず絶滅するのはすぐ分かると思います。
ですから、大半の人間はこんな生活をしないのでありましょう。
自然を破壊して(自然の力を借りて、でもいいですが)毎日活動し、
発展を遂げながら環境問題と向き合い、
折り合いをつけようとしているのであります。
最後に、これに関連して笑えないジョークを。
先ほど、出来る限り活動しない事が環境に良いと言いました。
実はもっと環境に良い事があります。それは、
人の数を減らす
というやっぱりな結論であります。
ですから、環境を無茶苦茶重視して人を思いっ切り軽視した考えに基づけば、
子供は生まない。
重病の人は放っておく。
自殺を止めない。むしろ推奨する。
というとんでもない環境保護が出来上がってしまうのであります。
「環境」を正義の御旗にし、
自分が絶対正しいんだと思い込む某環境保護団体にも辟易してしまいますが、
笑えないジョークみたいな結論に達する輩もどうかと思いますね。
私もこのふたつの落とし穴に落ちないよう、毎日バカをやっていきたいと思います。