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【し】国の守りを託せるのか

2008/07/11 07:00

 

11日付けの社会面(東京発行)、自衛隊絡みの記事が2本掲載されています。

1本は第1社会面の

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080710/crm0807102120033-n1.htm


もう1本は第3社会面の

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080710/trl0807101134004-n1.htm


「さわゆき」火災の記事で補足しますと、Web掲載後に記事が差し替わり、動機について「異動にともなって忙しくなり…」などと供述しているということです。

自衛官としてという以前に、人として間違っているといわざるを得ません。仕事の鬱憤晴らしのため、2次災害としてヘリ墜落事故を引き起こしたことについて、この海士長は何と話しているのでしょう。遺体で収容された副操縦士、いまだ行方不明の3人の無念とご家族の心痛を思うと、フツフツと怒りが湧き上がってきます。

この海士長には「国の守りを託されている」との自覚は無かったのでしょうか。


続いてイージス艦情報漏洩事件の初公判について。

被告の3等海佐は「イージスシステムの情報を術科学校の教官に送付した」と認めているものの、弁護側は、教官は米国でイージスシステムに関する研修を受講しているため、防衛秘密を扱う適格性があったとして、同法の罰する「他人に漏らした」ことにはならないと主張しています。

一般市民感情からすると、「無関係の部署の人間に情報を伝えることは漏洩ではないのか」となると思いますが、法廷でどのような審理が行われるのか…。被告の無実の主張により、裁判は検察側との全面対決となりまですが、扱うものが防衛機密だけに検察側に不利となるのではとの見方もあるようです。

ただ、国の守りを託された自衛官の皆さんには

「李下に冠を正さず」

の言葉を胸に刻んで頂きたいと思います。もちろん、大多数の自衛官が国防のみならず災害復旧そのほかの支援業務に日夜努力されているのは承知の上です。

いくら「他人に漏らしたことにならない」と主張しようと、漏洩を疑われる行為を行ったこと自体、国の守りを託された自衛官として、してはいけない行為だったと思うのですが。

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: しんぶ~ん

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コメント(5)

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2008/07/11 09:12

Commented by まじっく さん

同業者が亡くなられた事に、お怒りな事は判りますが、

’二次災害’の言葉には、違和感を感じます。

記事を読むまで、火災に巻き込まれて亡くなられたのかと思いました。

’二次災害’というなら、原因を現場の状況等に求めるべきで、

’出動目的’を’原因’と捉えることは、少々違うのではないでしょうか?


日経や毎日の報道では、現場の濃霧を指摘してますね。

東京新聞では、ローターが回転状態のまま水面に突っ込んだ可能性を
指摘しています。

FNNニュースでは、急角度で水面に突っ込んだ可能性を指摘しています。

いずれも、ヘリの状態や操縦に関連する指摘で、’自衛官の放火’が
原因とは思えません。

午前3時10分ごろに出火し、約20分で消化され、怪我人も出ていない
’火事’に、午前11時になって、わざわざヘリを飛ばすほどの
’ニュース性’があったのでしょうか?

これが’自衛隊の火事’でなく、’通常船舶の火事’であれば、
はたして同じようにヘリを飛ばしていたでしょうか?

’二次災害’として’原因’を求めるのであれば、それは’取材動機’
まで遡るべきではないでしょうかね・・・。

乱文、失礼いたしました。

 
 

2008/07/11 11:41

Commented by あやか さん

こんにちは

放火した自衛官は、仲間を危険な目にあわせたという重大な犯罪だと思います

しかし、救助活動でもなく取材で海上の濃霧に突っ込み結果事故になったことを【二次災害】と呼ぶことには強い違和感があります

災害時のメディアの傍若無人なふるまいには辟易していますが、メディアは取材を救助活動と同等と認識されているのかと、あなたの【二次災害】で気がつきました

国民の意識とメディアの乖離もここまできたかと思いました

 
 

2008/07/11 13:29

Commented by starbeast さん

日野原様、お邪魔します。
横須賀所属の『さわゆき』が津軽海峡にいたと言うことは…洞爺湖サミット対応のために『訓練』の名を借りた警備活動だったのでしょうね。
そのさわゆきの海士長が自艦に放火するというのは‥

とはいえ、それと青森朝日放送にチャーターされた取材ヘリ遭難事故を関連づけることには違和感を覚えます。
今回の事故の原因は「濃霧の中危険を顧みず取材を強行し(おそらく)空間失調を起こして海面に垂直に突入した」機長の判断ミスでしょう。青森空港離陸時には視界が確保できていたモノの海上に出てからは規定の視界が確保できていたとは思えない状況下、機長は「空港に引き返す」判断を下すべきだった決断を行わなかったことはせめられてもしかるべきでしょうね。地上の住民や護衛艦を巻き込まずに幸いだったとさえ言えるでしょう。
取材を行った青森朝日放送には「取材対象に対してどの程度のリスクを払っても良いのか」という点を検証して欲しいモノです。放送局の対応範囲内に取材対象が現れたのですから取材行為を行うことはむしろ当然だとは思いますが…
取材に向かったアナウンサーやカメラマンに「命を賭けた取材だった」という感覚はあったのでしょうか?現実には濃霧の中の航空取材だったのですから「かなり危険な」取材だと私には思えますが、飛び立った記者達にはその様な感覚があったかどうか‥
行方不明の方々、早く見つかることを祈ります。

 
 

2008/07/11 14:03

Commented by 日野原信生 さん

To まじっくさん
>’二次災害’の言葉には、違和感を感じます。
 
ここのポイントは本エントリの真意とは異なる点なので、改めることに何の躊躇もありません。早速、訂正しておきます。

私が主張したいのは「自衛官としての意識」という点なのはお判りいただけないでしょうか。なぜ「イージス艦情報漏洩」と並列で紹介しているか、その点を考慮していただければ幸いです。

先日の岩手・宮城内陸地震の際も多くの自衛隊員が救助活動に従事しました。多くの自衛官は彼らのように「名もなき隊員」として日夜、自衛官としての職務に励んでいるわけです。職務に忠実な彼らの働きが、今回の事件ののような不祥事で否定される事態が起きてはいけないと考え、本エントリをアップしました。

今回は取材ヘリの墜落という事故でしたが、災害復旧活動中に同様の事件を起こしたとしたらどうでしょう。被害を蒙るのは報道陣ではなく、無関係のの国民です。「拡大解釈だ」「こじつけだ」とのお叱りもあるかと思いますが、自衛官を志した人間には誇りを持って職務を全うしてもらいたいと願うだけなのです。

 
 

2008/07/11 14:25

Commented by 日野原信生 さん

To あやかさん

ご意見ありがとうございます。

>しかし、救助活動でもなく取材で海上の濃霧に突っ込み結果事故になったことを【二次災害】と呼ぶことには強い違和感があります

この点に関しましては、まじっくさんへのコメントでも触れましたのでご了解ください。

>災害時のメディアの傍若無人なふるまいには辟易していますが、メディアは取材を救助活動と同等と認識されているのかと、あなたの【二次災害】で気がつきました
>国民の意識とメディアの乖離もここまできたかと思いました

仕事に対して誇りをもつ事はいけないことでしょうか?
これは今回、自分が勤務する船に火をつけた海士長にもつながることです。
本ブログでは「新聞記者なんてやくざな商売」といったトーンで語ったりしておりますが、少なくとも私は「新聞記者」という仕事に誇りを持っています。

確かに、一般の国民が足を踏み入れることのできない現場に赴いたり、一足早く情報をキャッチしたり、「マスコミの特権」と表現されるような事態に接することもありますが、その上に胡坐をかいて取材対象に迷惑をかけたりたり、それを自己に利するような行為に及んだりするようであれば「国民意識との乖離」を指弾されてもしょうがないと思いますが、「私は違う」と胸を張って言えますし、多くのマスコミ人は微塵も考えていないことだと信じています。

私の表現の仕方によって「マスコミ人」に対する誤った考えを助長させてしまったとしたら悲しいことです。

 
 
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