11日付けの社会面(東京発行)、自衛隊絡みの記事が2本掲載されています。
1本は第1社会面の
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080710/crm0807102120033-n1.htm
もう1本は第3社会面の
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080710/trl0807101134004-n1.htm
「さわゆき」火災の記事で補足しますと、Web掲載後に記事が差し替わり、動機について「異動にともなって忙しくなり…」などと供述しているということです。
自衛官としてという以前に、人として間違っているといわざるを得ません。仕事の鬱憤晴らしのため、2次災害としてヘリ墜落事故を引き起こしたことについて、この海士長は何と話しているのでしょう。遺体で収容された副操縦士、いまだ行方不明の3人の無念とご家族の心痛を思うと、フツフツと怒りが湧き上がってきます。
この海士長には「国の守りを託されている」との自覚は無かったのでしょうか。
続いてイージス艦情報漏洩事件の初公判について。
被告の3等海佐は「イージスシステムの情報を術科学校の教官に送付した」と認めているものの、弁護側は、教官は米国でイージスシステムに関する研修を受講しているため、防衛秘密を扱う適格性があったとして、同法の罰する「他人に漏らした」ことにはならないと主張しています。
一般市民感情からすると、「無関係の部署の人間に情報を伝えることは漏洩ではないのか」となると思いますが、法廷でどのような審理が行われるのか…。被告の無実の主張により、裁判は検察側との全面対決となりまですが、扱うものが防衛機密だけに検察側に不利となるのではとの見方もあるようです。
ただ、国の守りを託された自衛官の皆さんには
「李下に冠を正さず」
の言葉を胸に刻んで頂きたいと思います。もちろん、大多数の自衛官が国防のみならず災害復旧そのほかの支援業務に日夜努力されているのは承知の上です。
いくら「他人に漏らしたことにならない」と主張しようと、漏洩を疑われる行為を行ったこと自体、国の守りを託された自衛官として、してはいけない行為だったと思うのですが。
by 日野原信生
【し】国の守りを託せるのか