【北京=峯村健司】中国の国営新華社通信によると、北京五輪を控えてテロへの警戒を強める新疆ウイグル自治区公安庁が今年上半期(1〜6月)、北京五輪のテロを狙って準備をしていたとして五つの「テロ組織」を摘発し、82人のメンバーを拘束。さらに41カ所の「訓練所」を破壊したという。陳壮為・副庁長が9日、明らかにした。
中国公安省は、中国から分離独立して少数民族ウイグル族の新国家創設をめざす「東トルキスタン・イスラム運動」の動きを警戒しており、陳副庁長は「五輪開幕を目前に控え、安全確保のために取り締まりを一段と強化しなければならない」と述べた。
一方、中国外務省の劉建超報道局長は10日の定例記者会見で、北京在住の英国人1人を自宅から連行して、国外追放にしたことを明らかにした。チベット独立を求めているインド・ダラムサラの亡命チベット人団体「チベット青年会議」のメンバーで、当局の調べに中国の法律に違反したことを認めているという。