【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)議長国として北京五輪開会式(8月8日)への出席を正式表明したフランスのサルコジ大統領は10日、8月中旬に訪仏予定のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と面会しないよう求めてきた中国政府の要請を拒否する考えを明らかにした。
大統領は五輪開会式出席に欧州議会の一部議員らから反対意見が出ていることについて「EU全加盟国が私の開会式出席を承諾した。最善策は中国を侮辱することではなく、率直な対話を持つことだ」と述べた。
だが、ダライ・ラマと会談すれば「深刻な結果を招く」と駐仏中国大使が警告した点にも触れ、「私の日程や会談予定を決めるのは中国ではない」と中国の要請を一蹴(いっしゅう)した。
一方、欧州議会は10日、北京五輪を控えた中国に人権状況の改善を促す決議案を採択した。今春のチベット暴動への鎮圧を受け、欧州議会は4月、中国政府がダライ・ラマとの対話を再開しなければ、五輪開会式ボイコットを検討するよう加盟国に求める決議案を採択していた。
毎日新聞 2008年7月11日 13時12分(最終更新 7月11日 13時25分)