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盧・韓国前大統領:国家情報、私物化疑惑 HDごと持ち出し、機密含む240万件

 【ソウル中島哲夫】韓国の盧武鉉(ノムヒョン)前大統領が2月の退任の際、青瓦台(大統領官邸)のオンライン業務管理システムに蓄積された国政運営上の膨大な資料をハードディスク(HD)ごと持ち出し、不法に私有しているという疑惑が浮上、李明博(イミョンバク)政権との確執が激化している。現状では事実関係と合法、違法の判断について双方の主張が対立しているが、国家資料の私有状態は批判を免れない。

 韓国紙によると、このシステムは盧前大統領が自ら考案し、特許も取っている。盧氏は「中毒」との風評もあるコンピューターマニアだ。

 青瓦台当局者が8日に公表した中間調査結果によると、資料の持ち出しは(1)稼働中のものと同じシステムを外注し購入(2)既存システム内の情報の一部を新システムのハードディスクにコピー(3)新旧ディスクを交換し、より情報量の多い旧ハードディスクを搭載した新システムを、盧前大統領が退任後の生活用に慶尚南道金海市に新築した邸宅に運搬--という手順で行われた。

 持ち出された資料は機密情報を含む240万件以上。李政権発足の時点で残されたサーバーには業務マニュアルなど1万6000件足らずの資料しかなく、人事ファイルや北朝鮮核関係の文書などは含まれていなかったという。政治的に役立つ資料は手元に温存し、残したくない資料は消去したのではないかという疑惑も指摘されている。

 盧前大統領側は「大統領記録物管理法」に従い825万件の文書を大統領記録館に送ったと説明。前大統領は官邸資料を複写し持ち出したことは認めたが、ハードディスクの原本に手を出していないと主張している。

 一方、同法上、現職大統領は大統領記録館に入ってしまった前任者の資料を閲覧できない。李大統領のための政権引き継ぎ委員会は盧政権を軽視して青瓦台業務の引き継ぎをろくに受けなかった。後日の記録閲覧が難しいことを知らなかった模様だ。

毎日新聞 2008年7月10日 東京夕刊

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