2008年07月11日(金)
県立中央病院に是正勧告 甲府労基署 残業代不払いで
山梨県立中央病院(山下晴夫院長)が、複数の医師に対し適正な残業代を支払っていなかった疑いがあるとして、甲府労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが10日、分かった。同病院は時間外手当の一部に不払いがあったことを認めた上で、不払いの時間外労働がどの程度あるのか現在、調査を進めている。同病院医師の時間外労働については2007年度の県包括外部監査でも、申請時間と実際に残業代を支払った時間に約1万2000時間の差があり、「不払い」の手当は約6200万円に相当すると指摘されていた。
同病院によると、同労基署が4月25日、「医師に支払われていない時間外手当がある」とし、労働基準法違反の疑いで病院を立ち入り調査。その後、労基署から「常勤、非常勤の複数人の医師が、労使協定で定める時間外労働(1日4時間)を上回って残業していたが、協定を上回る時間の残業代を支払っていなかった」として是正勧告を受けたという。
同病院では是正勧告に基づき医師の勤務実態の調査を進めていて今後、同労基署に是正報告書を提出する方針。同病院総務課は「不払いのあった医師には適正な残業代を支払いたい」としている。
医師の時間外労働をめぐっては(1)常に上司と一緒に診療に当たっていず、業務の実態把握が難しい(2)症例研究のため院内に残っていた場合、個人のスキルアップか、病院として不可欠な業務かの区別が困難−という実情がある。このため、同病院総務課は申請された時間をそのまま残業時間とはせず、査定を行った上で時間外手当を支給している。
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