大分県の小学校教員採用を巡る汚職事件で、同県の高校教員採用でも不正が行われていたことが分かった。収賄容疑で再逮捕された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)は中学教員採用でも不正な口利きをしていたことが判明しているが、高校教員採用は同課とは別の課が所管しており、小学校から高校までの教員採用すべてで不正が行われている実態が浮かんだ。
県警も同様の情報を入手しており、裏付けを進めている模様だ。
高校教員の採用試験は、小・中学校教員と同様に7月から9月にかけて実施される。1次は筆記や面接など、2次は模擬授業や面接などがある。08年度採用試験は588人中26人(競争率22.6倍)、07年度は764人中27人(同28.3倍)がそれぞれ採用された。この競争倍率は07、08年度の小学校教員採用試験の約11倍より2倍以上高くなっている。
高校教員の採用を所管する課での勤務経験がある元県教委幹部は「口利きなどの不正を頼まれたことがあった。主に県議会議員が多かった。ただ自分は口利きを受けても断った」と話した。
また、県内のある高校教員の男性は「高校教員は小、中より採用が少なく競争率が高い。(採用試験に際して)コネやカネ、商品券を贈るのは当たり前。同僚教員が約20人集まった会で、不正採用で入ったことを明かした教員がうち半数もいたほどだ」と話した。
小学校教員採用では江藤容疑者が、口利きを受けた受験生に最大100点以上を加点する一方、本来合格だった約10人を不合格としたとされる。
毎日新聞 2008年7月11日 2時30分(最終更新 7月11日 2時30分)