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ヘタレ男の増加がオレオレ詐欺を生む
【オトナの性・恋愛講座】
ついにウチにもオレオレ詐欺の電話がかかってきた。これが、なかなかすごかった。何がすごいって、雨の日の午後、ちょうど夫が自家用車で出かけた1時間ほど後というナイスなタイミングである。(2004.11.18掲載)
ご存じの通り、いまやオレオレ詐欺のテクニックは進化している。個人情報を調べ、名指しで、かけてくるのはもちろん、勤務先や使用車種まで知っている。突然、「警察から」を装う電話があり、夫の交通事故により、妊娠8カ月の被害者が破水した-などと詳細に聞かされると、家族は冷静な判断力を失うのは当然だろう。
さらに、子どもを海外へ留学させている家庭へ、国際電話を偽装し、交通事故を起こしたから、と高額の振込みを強要する海外版まで登場。振込先が、日本国内の銀行口座だったりするので、ちょっと考えればおかしいとわかるのだが…。
私の家にかかってきたのは、“進化前”のバージョンで、交通事故をおこした夫が泣きながら電話をかけてきて、「警察」が示談を勧めるパターン。このニセ警官、「ご主人は重要参考人として容疑者になります」などと間違った言い回しをしたり、示談を勧めたり、必要に応じて弁護士を紹介すると言ったり、日本の警察では、ありえないサービスてんこ盛り。それで、すぐに「詐欺だ」と感づいた。。
でも、せっかくかけてきたのだ。夫の名前くらい確認してみよう。
「タケシは大丈夫ですか? ケガはありませんか?」
「ご主人に替わります」
「…ううっ(泣き声)」
「タケシ、大丈夫!」
何と言っているが、号泣のため聞き取れない。警官が新宿何丁目の事故であるとか、示談金振込みに緊急性があることなどを口調は穏やかだが、切羽詰まった感じで伝えてくる。なかなかの役者だ。
負けちゃいられない。よりもうひとひねり。
「大丈夫なんですね。ああ良かった。でも、タケシって犬の名前なんです」
「……(ツー、ツー)」
電話を切られた。夫の名はタケシではないし、犬も飼っていないと説明したかったのに、ネタバレが早すぎた。結局、口座番号を聞き出せず、警察に届けることもできない。被害に遭われている方がいる可能性もあるだろう。申し訳なく思った。
しかし。なぜこんなオレオレ詐欺が通用するのか、ふと考えてみる。それは、電話口で泣いている男を自分の息子や夫であると思い込んでしまう、母や妻がいるからなのだろう。
「うちの夫は、ちょっとやそっとの拷問で、泣きながら電話をかけてくる、ヘタレ(意気地なし)じゃない」なんて言い切れる妻が、いないのだ。裏返せば、男が弱くなったってことが、この新種の犯罪が、つけ入るスキを生んでいると言えなくもない。泣くな、オヤジ!
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オレオレ詐欺はシチューションが事故だったりすると泣いて電話かけてくるんですね うちの息子・夫は泣くようなへたれじゃないっていいきれない為、泣いていると声も聞き...
トラックバック時間: 2004年12月01日 00:01