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町が7000万円支払い和解 和歌山・串本の中1死亡事故
交通事故で国保直営串本病院(和歌山県串本町串本)に搬送され死亡した中学1年の男子生徒(当時13歳)の母親(40)が、医師が適切な診療をしなかったなどとして、同病院を運営する町と事故を起こした町内の男性(70)を相手取り約8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、同病院は10日、過失を認め7000万円を支払うことで合意したと発表した。同日の臨時町議会で賠償金を盛り込んだ病院事業会計補正予算案が可決され、15日に和歌山地裁で和解が成立する。
訴状などによると、平成17年9月19日、串本町の町道交差点で自転車に乗った生徒と男性が運転する乗用車が衝突。生徒は同病院に搬送され、肋骨(ろっこつ)骨折と診断されたが容体が悪化し、翌20日に出血性ショックで死亡した。
合意について会見した病院側は「脾臓(ひぞう)損傷による腹腔内出血を見落とした過失があり、適切な治療が行われなかったことによる死亡」と認め、阪本繁院長が「尊い命をなくしてしまい大変申し訳ない」と謝罪した。生徒の母親は「なぜ起きたのかをしっかり検証し、安心できる医療体制を確立してほしい」と話している。