アルコールが入る会合では、校長は「部長」、教頭は「課長」と呼び方を替える。知人の教師にそんな話を聞いたことがある。勤務先は学校でなく「ウチの会社」となる 校長の泥酔はみっともないが、部長や課長ならよくある光景。周囲の目を気にするいじましい「慣行」である。教師というかみしもは、時に窮屈なものらしい 一皮むけば、教師も人の子。そんな思いを強くする大分の教員採用汚職である。子はかわいいし、出世はしたい。立派なかみしもで装っているだけに、その下から見えてきた欲は強烈に映る 「反面教師」は、昔からいた。誰もが良い先生の思い出と一緒に、顔も見たくないイヤな教師の記憶を持っているに違いない。きれいごとだけでは立ちゆかぬ大人の世界があることを、子どものころに学んだダメ教師の「効用」である。が、ものには限度がある。40人前後の合格者のうち15人もの不正採用を続けていたのが事実なら、モンスター教師の量産以外の何ものでもない いろんな怪物が大手を振って歩く昨今、その元の1つは教育の場にあることを、事件は教えてくれる。
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