源氏千年(55)期待できない江戸の落語 / genjiito
日記・その他 > 2-源氏物語
源氏千年紀の今年は、なんでもありの記念年です。
『源氏物語』を、なんと落語でやるというのです。
銀座 博品館劇場『源氏物語』一千年紀祭特別公演
「まるごと源氏物語」
というイベントが、10月29日から11月24日まで開催されます。
その中に、落語版『源氏物語』というのがあります。
その内容は、次のようになっています。
〈第一席〉立川談春 「柏木」 10/30
〈第二席〉柳家喬太郎 「空蝉」 10/31
〈第三席〉橘家文左衛門 「明石」 11/1
〈第四席〉入舟亭扇辰 「葵」 11/2
〈第五席〉三遊亭歌之介 「末摘花」11/3
宣伝のパンフレットによると、この落語は、次のように紹介されています。
先般、講談の『源氏物語』を聞きに行き、意外におもしろいと思いました。
「源氏千年(21)女流講談を堪能」
http://blog.kansai.com/genjiito/235
落語も、意外とおもしろいかもしれません。
もっとも、台本しだいですが。
それよりも、落語も漫才も、江戸のものは芸術だということを前面に押し出しての、お客を小ばかにしての演芸なので、私はいつもしらけてしまいます。
かたや、上方の落語や漫才は、おもしろさが勝負の芸能なので、これは大好きです。
そんな先入観を私は持っているので、今回演じられる落語にはまったく期待していません。
関西であれば、喜んで聞きに行きます。銀座に出入りしている私ですが、わざわざ江戸の落語を聞きに行くことはないと思います。
もし情報が入れば、また報告する程度に終わることでしょう。
まあ、東京ではこんなことが行われている、という小ネタです。
それにしても、関西の熱気に引き換え、関東は無理をしての源氏ブームのおこぼれを、という悲惨な状況です。この温度差は、この両地域を毎週往復する私にとっては、肌身で感じているものです。
そうであればこそ、10月から始まる国文学研究資料館での源氏物語特別展の位置づけに、日夜苦しんでいます。関西でやるのとは、わけが違うのです。東京は、ノリが悪くて、理屈っぽいのです。文学には不適当な土地柄なのです。
関東での源氏ネタは、カルチャーセンター通いの奥様方以外には、なかなか受け入れてもらえないのではないでしょうか。それも、小奇麗にラッピングした『源氏物語』でないと、関東では賞味期限切れの『源氏物語』となります。
関東の文化には、『源氏物語』というよりも、王朝文化・平安文化は根付いていないのです。あくまでも、知的世界における『源氏物語』でしかないのです。
関東の文化的には、『源氏物語』は他人事なのです。
『源氏物語』の受容も、関西と関東では、雲泥の差があります。
このことは、少しずつわかってもらえるように、今後とも両文化圏の状況を報告したいと思っています。
『源氏物語』を、なんと落語でやるというのです。
銀座 博品館劇場『源氏物語』一千年紀祭特別公演
「まるごと源氏物語」
というイベントが、10月29日から11月24日まで開催されます。
その中に、落語版『源氏物語』というのがあります。
その内容は、次のようになっています。
〈第一席〉立川談春 「柏木」 10/30
〈第二席〉柳家喬太郎 「空蝉」 10/31
〈第三席〉橘家文左衛門 「明石」 11/1
〈第四席〉入舟亭扇辰 「葵」 11/2
〈第五席〉三遊亭歌之介 「末摘花」11/3
宣伝のパンフレットによると、この落語は、次のように紹介されています。
落語版『源氏物語』
新作/落語版 平安絵巻『源氏物語』の誕生!?
当代実力・人気の花形噺家5名による落語版『源氏物語』公演を5日間連続独演会形式でお届けします。
先般、講談の『源氏物語』を聞きに行き、意外におもしろいと思いました。
「源氏千年(21)女流講談を堪能」
http://blog.kansai.com/genjiito/235
落語も、意外とおもしろいかもしれません。
もっとも、台本しだいですが。
それよりも、落語も漫才も、江戸のものは芸術だということを前面に押し出しての、お客を小ばかにしての演芸なので、私はいつもしらけてしまいます。
かたや、上方の落語や漫才は、おもしろさが勝負の芸能なので、これは大好きです。
そんな先入観を私は持っているので、今回演じられる落語にはまったく期待していません。
関西であれば、喜んで聞きに行きます。銀座に出入りしている私ですが、わざわざ江戸の落語を聞きに行くことはないと思います。
もし情報が入れば、また報告する程度に終わることでしょう。
まあ、東京ではこんなことが行われている、という小ネタです。
それにしても、関西の熱気に引き換え、関東は無理をしての源氏ブームのおこぼれを、という悲惨な状況です。この温度差は、この両地域を毎週往復する私にとっては、肌身で感じているものです。
そうであればこそ、10月から始まる国文学研究資料館での源氏物語特別展の位置づけに、日夜苦しんでいます。関西でやるのとは、わけが違うのです。東京は、ノリが悪くて、理屈っぽいのです。文学には不適当な土地柄なのです。
関東での源氏ネタは、カルチャーセンター通いの奥様方以外には、なかなか受け入れてもらえないのではないでしょうか。それも、小奇麗にラッピングした『源氏物語』でないと、関東では賞味期限切れの『源氏物語』となります。
関東の文化には、『源氏物語』というよりも、王朝文化・平安文化は根付いていないのです。あくまでも、知的世界における『源氏物語』でしかないのです。
関東の文化的には、『源氏物語』は他人事なのです。
『源氏物語』の受容も、関西と関東では、雲泥の差があります。
このことは、少しずつわかってもらえるように、今後とも両文化圏の状況を報告したいと思っています。
2008年7月10日(木) at 23:59 / コメント( 0 )/ トラックバック( 0 )
トラックバックURL http://blog.kansai.com/tb/genjiito/357
このエントリ(記事)について
コメントを書く
記事を書く(トラックバック)
このエントリ(記事)にコメントを書く