【北京=阿久津篤史】北京市で「青空の日」が増えたのは当局が操作した結果?――。市環境保護局の杜少中副局長は10日、記者会見で「大気汚染がひどい時は観測点周辺で空気改善の措置を取る。指数が基準を多少上回りそうな時には有効に制御できる」と述べ、人為的に調整していることを認めた。具体的には、粉じん発生を伴う建設現場の工事を一時中断させるなどの措置を指すとみられる。
北京市は浮遊粒子状物質や二酸化硫黄などの濃度による大気汚染指数を定め、100以下の日を「青空の日」としている。98年は100日だったが、北京五輪を前に大気状況を改善し、昨年は246日に増えたと宣伝していた。
10日の記者会見では、「100以上のところに一種の空白地帯がある」と指数の分布の偏りを指摘する質問が出た。杜副局長は「観測所の観測範囲は周囲9平方キロと局地的。簡単な対策を取ればデータはよくなる」と話した。