脱北者だけの工場、国境の町に完成
北朝鮮から韓国に脱出した、いわゆる“脱北者”だけを雇用する初めての工場が、国境の街、韓国のパジュに完成しました。
軍事境界線に近い国境の街・パジュ市。韓国軍の最前線でもあり、大半が軍の管理下にあります。
この街に脱北者を雇用する工場が完成、操業を始めました。8週間の職業訓練をパスした脱北者22人が、韓国人の指導を受けながら主に食品や特産品を入れる箱を製造しています。
脱北者にとって、資本主義国・韓国で就職するのは非常に難しいことです。この工場では、単純な箱作りから脱北者の仕事が始まりました。
現在、韓国に住む脱北者は1万4000人。ほとんどが韓国政府の保護で生活しており、就業率はわずかに10%あまりです。
脱北者は、北朝鮮での生活をこう語りました。
「国からの配給やお金もなく、 生活がどうしようもなくなって、(中朝国境の) 豆満江を渡って逃げてきました」(脱北し工場で働く女性)
「(キム・ジョンイル体制は) 今考えると間違っている。もう一度住めと言われても、あの独裁政権では1日も住めません」
脱北者にとって、一番の壁は何と言葉です。外来語が全く理解できないということです。
「同じ言語を使っているのに 、脱北者は7割理解できていません。文化的・心理的なギャップなどいろいろな問題があり、大変です」(工場の管理者)
今後、工場での利益は脱北者の教育資金などに使われることになっています。(10日10:28)